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2008年4月15日 (火)

「必要な道路」とは?

 道路特定財源のガソリン税に上乗せされていた暫定税率が期限切れとなった。それを機に、政府・与党は道路特定財源の一般財源化に取り組む姿勢をみせている。しかし、「一般財源化後も必要な道路はきちっと造らねばならない」(伊吹文明自由民主党幹事長)という条件が付いている。伊吹氏も「必ず要る」という意味で「必要な道路」と言っているようだ。

 しかし、「必要」だから必ず予算を付けなければならないとしたら、政府の歳出は際限なく膨れ上がるだろう。官僚社会では沢山の予算を獲得することが有能な証拠とされるので、屁理屈を付けてでも、官僚たちは予算要求をするからだ。国民のほうからも、国に対してあれをしてほしい、これをしてほしいという要求が際限なく出るから、それを背景に、官僚たちは歳出増を実現すべく知恵(悪知恵?)をしぼる。

 では、その予算(カネ)は誰が出すのか。どこからひねり出すのか。「そんなことは考えなくてもいい、歳出すると決めれば、カネはあとからついてくる」というのでは、いずれ国家財政は破綻する。すでに、そうしたツケが積もり積もって、およそ800兆円もの借金になっているのである。借金返済を含めて歳出予算全体を税収の範囲にとどめること。それを国家予算編成の出発点にするよう政府・与党にも、国民にも求めたい。「良薬は口に苦し」――歳出を増やすには、それに見合った増税を行うこと、この基本を忘れないでほしい。

 ところで、道路特定財源を一般財源化することに国民の支持が多いのは、①全国の道路整備がかなり進んだ、②にもかかわらず、特定財源を維持し、それ使い切るため、必要性の薄い道路まで造ったり、税収を道路以外に流用しているのはおかしい、③国全体としては、少子高齢化などを背景とする社会保障政策の整備などが喫緊の課題となっている、④世界でも突出した財政危機にあり、特別会計の放漫財政を容認すべきではない、といった理由からだと思う。

 そうした国民、納税者の意向を念頭に、一般財源化および適切な使途決定をするのが政治家の役目である。好意的に見れば、福田首相は、限られた税収の中で、最適な解を出そうという方向に転換し始めたようだし、それを支持する自民党議員が少なからずいる。だが、まだ道路族の強い自民党が党の方針として道路建設に執着すればするほど、国民の利益に反する。ここはどっちになるか、政界再編にもつながる大きな注目点ではないか。

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