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2008年4月26日 (土)

関満博氏の言う「地方の人々は実に豊かに生活している」に同感

 全国各地および中国各地の地域産業に詳しい関満博一橋大学教授が3月に出版した『地域産業の「現場」を行く  誇りと希望と勇気の30話  第1集 地域の片隅から』。同書の「はじめに」で、以下に紹介する文章を目にした。私が日頃感じていることを裏付けてくれる内容である。

 関氏が研究室に来ている外国からの留学生を地方都市での夏合宿に引率すると、留学生は「日本の地方は、どこもこんなに美しいのですか。食事は美味いし、道路は完璧だし、その他のインフラもすごいですね」と感心するという。そうした話のあとで、関氏はこう書いている。

 「実際、私自身、地方に身を置くことが多いが、数字で語られるような格差を感じることはあまりない。食事は美味いし、生活の基本インフラは充実し、人びとは実に豊かに生活しているように見える。東京に住む私自身の方がはるかに貧困であることを痛感させられることが少なくない」。

 そして、次のように述べる。「地方に問題があるとすれば、それは「若者」の仕事の場が少なく、人口減少、高齢化が進んでいることに関連するのではないかと思う。当然、見かけ上の所得は少なくなり、購買力も低下していく。商店街は疲弊し、シャッター街になり、若者の姿は見えず、活力の低下が実感されていくのであろう」と。

 そこから、関氏の独壇場になる。「だが、その懐に入っていくと、実に興味深い取り組みが重ねられていることに気づく」。それは「地域おこしの「第三の道」というべきものであり、地域を深く「愛している人びと」による新たな試みと言えそうである」。別の言い方をすれば、「「地域の資源」と自分たちの「暮らし」を深くみつめ直し、新たな「仕事」を起こし、そして新たな「価値」を生み出そうとしているように見える」。30話はそれを具体例で紹介している。

 関氏は本文の中で、「次の時代を担う意欲的な若者が登場してこない限り、その地域の「将来」はないのである」と言い切っている。そして、自ら、私塾を設けて人材育成に貢献している。

 いまも折りにふれ、大都市圏と地方との格差が言い立てられる。だが、既得権益を擁護しようというそうした後ろ向きの姿勢とは異なり、誇りと希望と勇気をもとに新たな社会を切り拓いていくことが地方の課題だろう。その意味で、関氏の指摘はとても大事だと思う。

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投稿: つき指 | 2008年4月26日 (土) 22時32分

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