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2008年5月30日 (金)

アフリカの人々にとっての幸せとは

 5月28日から第4回アフリカ開発会議(TICAD Ⅳ)が横浜で開かれている。アフリカには高い経済成長をとげる国もあり、福田首相は開会式で「我々はいま『アフリカ成長の世紀』という新しいページを開こうとしている」と演説した。この会議のスポンサーである日本政府は、アフリカの経済発展や資源確保を念頭に、政府開発援助や民間投資の拡大をぶち上げた。

 いまグローバル化を背景に、中国やインドなどが先進国に追い付こうと急ピッチで経済発展しているように、アフリカ諸国も、同様に先進国型の経済成長をめざしているようにみえる。しかし、それで本当にいいのだろうか。ビル・マッキベン著、大槻敦子訳の『ディープエコノミー』(08年5月刊、英治出版)を読むと、そんな疑問にとらわれる。

 1989年に『自然の終焉』を書いたマッキベンは、地球温暖化の危機を知り、経済成長を追い求める人間の自然破壊が、いずれは人類の生存を危うくすることを指摘した。新著の『ディープエコノミー』は、「おわりに」の中で、「経済成長が今なお私たちの経済にとって明らかに必要なゴールだという深く根付いた考えを揺るがすことに本書が役立てば嬉しい」と述べているように、地域社会、地域経済を活性化し、ご近所のつながりを深めることが幸せをもたらすと主張している。

 経済発展をとげた米国などでは、「私たちはもはや互いを必要としなくなってしまった。十分な金さえあれば、周囲の人に頼らなくても済むようになった。それは利益であると同時に、少なくとも損失である」。いまの日本の社会もまさにこの状態である。豊かな国であるはずの日本で、幸福とはほど遠い出来事が連日、新聞に報じられている。

 マッキベンの新著は「自分が他の人々にとって大切だと知ることは、いくら金を出しても買うことのできない一種の安心感である」と述べている。経済成長を追い求める道とは別のもう1つの道を同書は提示している。日本における地方分権改革のねらいとつながるところがあると思う。

 TICAD Ⅳで主催国の日本は浮き浮きして、参加国に対し、資源エネルギーを大量に消費し、GDPを大きくする経済成長を後押しするための援助、助成策をやたら打ち出している。その一方で、7月のG8で、ポスト2012(ポスト京都)の中長期的な温暖化対策をとりまとめる役割を担っている。これは、どう見ても精神分裂症の様相を呈している。縦割り行政が幅をきかし、政治のリーダーシップが欠落しているのだ。

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