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2008年5月18日 (日)

80兆円を4等分して考えると―

 5月3日のブログで与謝野馨衆議院議員(前内閣官房長官)の「割り勘」論を紹介した。政治家には国民にわかりやすく説明する能力が必要だが、5月16日(金)の記者会見で、同氏のその能力を改めて実感した。

 いまの政治は「迷路のように小さいところにどんどん入り込んでいる。政治は大きな柱の部分を論じなければならない」と言って、与謝野氏は柱となる4つの問題を取り上げた。その1つ目が財政再建である。

 これについて、同氏は「国の収入(税収)は約50兆円、支出は約80兆円。民主党は15.5兆円の支出カットができると言う。しかし、支出の80兆円を4等分すると、最初の20兆円は借金の利息(返済)に充てる。次の20兆円は地方(自治体)に渡す。これはいまでも少ないと地方から叱られる。そしてもう1つの20兆円は社会福祉に充てている。これは放っておくと、あっという間に増える。最後の20兆円が、公共事業、教育、自衛隊、公務員給与など、我々が関与している予算です」と言う。

 つまり、国の一般会計の歳出は、事実上4分の3は使途が決まっていて、国会で使途を議論できるのは、たったの20兆円しかないと説明する。なんともわかりやすい説明の仕方だと感心した。(民主党がわかりやすい反論をすることを期待する)

 その説明の前段階として、財政危機の実態について「国は550兆円もの借金がある。いま金利は1.5%前後だが、金利が1%上がれば、550兆円×0.01(=5.5兆円)、金利支払が増える」ということも言っていた。

 以上の話に対して、特別会計があるのに、それを無視しているではないかなど、与謝野氏の話に問題があるという批判は可能だ。しかし、国の財政がいかに危機的な状況にあるかということを国民に知ってもらうために、わかりやすくおおまかに説明するという点で、同氏はすぐれている。それに比べて、福田首相は説明責任能力(アカウンタビリティ)が無さ過ぎる。

 与謝野氏は財政再建のほかに、経済、資源エネルギー、環境の問題も取り上げていたが、経済については「まだ日本経済は一流だと思っているが、少しずつボロになっている」、「このままだと日本経済は劣化する。このままではいけないという認識を国民が共有する必要がある」とし、「日本の社会が貧しくなることを私は一番おそれる」と抽象的な表現だが、強い危機感を表明した。氏が日本の政治の現状を憂えるゆえんの1つである。

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