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2008年6月29日 (日)

朝日新聞社株式の値段はどうしてこんなに違うのか

 朝日新聞社も株式会社だが、非公開であるとはいえ、売買された同社株式の値段が1株1600円というのと、6万3000円というのと2通りあるのには驚いた。昔から一物一価といわれているが、小口の取引と大口の取引の違いにしても、あるいは経営権に関わるまとまった取得であるか否かの違いにしても、こんな極端な価格差は聞いたことがない。

 報道によると、同社の社主で筆頭株主でもある村山美知子氏がテレビ朝日に朝日新聞社株式38万株(総発行株式数の11.88%)を239億4000万円で売却した。これは1株6万3000円に相当する。テレビ朝日は6月26日の株主総会で、専門家の意見も聞いて適正な時価で取得したという趣旨の発言をしている。

 ところが、朝日新聞社の社内持ち株会では、売り、買いとも1株1600円にすぎない。村山社主が売った価格が適正なら、社内持ち株会の売買価格は極端に低すぎることになる。社内での株式売買は時価とかには関係なく、代々の社員がバトンタッチしやすいように安く抑えておこうということかもしれないが、実態と遊離した低い売買価格は、たとえ非上場であろうと、利益の贈受与にあたり、課税の対象になっておかしくない。しかし、現実には、他の新聞社でもそうだが、課税されていない。

 テレビ朝日の株主総会では、株主の1人から、朝日新聞社持ち株会の売買価格の40倍もの高い株価で買ったのは親会社に上納金を納めたように思えるという発言があったという(27日付け朝日新聞朝刊)。持ち株会の売買価格を前提とすれば、こういう株主の発言が出て当然である。同じ1株の値段があまりに違いすぎる点について、納得できる説明を朝日新聞社から聞きたいし、税務当局の見解も明示されてしかるべきだ。

 村山氏は村山家ゆかりの財団法人香雪美術館に朝日新聞社株式を寄付したので、同氏の持ち株比率は14.61%に減った。それでも筆頭株主という。一方で、村山氏は朝日新聞社が所有するテレビ朝日株式の一部(総発行株式数の5%)を時価で買い取った。これらの取引および寄付は経済的な常識の範囲内である。それだけに、社内持ち株会の売買価格の異様さが目に付く。内と外では違っていておかしくないという日本的な発想が根底にあるのだろうか。

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コメント

朝日新聞社株式の売買について検索して、ここにたどり着きました。

私は、「税務当局」の者ではないですが、気になったのでコメントを。

上場していない株式については、一物三価ぐらいになっています。
特に、相続税・贈与税の申告の際の、株式評価については、
かなり細かく規定されています。

株式をわずかしか持っていない株主については、
配当還元価額(単純に言えば、年間配当の10倍)となります。
株式を多く持ち、支配権がある株主については、
会社の時価純資産、利益額を参考した類似業種比準価額などを
元に評価します。

今回の場合は、売買ですので、上記の評価とは少し違いますが、
11.38%の株の売買と、持株会内部でのわずかな株の売買とでは、
売買単価が異なることは、税務上認められています。

従って、課税の対象とされることはないと、私は考えます。

通りすがりなのに、でしゃばって、失礼しました。

投稿: sue | 2008年7月10日 (木) 11時12分

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