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2008年6月14日 (土)

「恐るべき外務省の賃金体系」

 中央政府や地方自治体の予算をつくるとき、新規の歳出(支出)については簡単には認められないが、継続部分についてはほとんどチェックされない。国の一般会計については、財務省が査定するが、継続部分に関してはほとんどフリーパスだといわれる。

 すべての予算項目についてゼロベースで見直したら、相当、削減が可能だという意見があるのも、そういう事情があるからだろう。

 田中森一氏と佐藤優氏の対談『正義の招待』(08年3月刊)を読んでいたら、「恐るべき外務省の賃金体系」などの小見出しのついた個所で、外務省の給与体系がベラボーに高いことを佐藤氏が述べている。「外務省の最大の問題は派閥などよりもっと別の次元にあって、その一番のガンはおそらく給与体系だと思います。(中略)外務官僚の生涯賃金って、たとえ高卒のノンキャリであったとしても普通の検事さんなんかよりも遥かに多いと思いますよ。」、「最終的には他の公務員の3倍ぐらいはもらえる仕組みができているんです。」という。

 給与のもらいすぎという甘い蜜を「外務省の場合、下の下にまで、隅々にそれが行き渡っているという構造ですよ。これが外務省の凄みというか、犯罪的な部分だと思うんです。一部の人間だけが蜜を吸っているのなら、かならず下克上や内部告発という動きが起きて、それなりの自浄作用が生まれる可能性があります。しかし、外務省すべての人間が上から下まで甘い蜜を吸える構造になっているからこそ、そうしたことは起きない。完全に「一家一門」の意識ができあがっている。一種の犯罪組織だと言っても過言ではない。」

 「外務省なんていうのは人間を半分に減らしたって十分やっていけるんじゃないかな。だって、半分以上の人間はほとんどたいした仕事していないんですから。でも、そういう人間に対してすら手厚い保証をしているので、問題点がなかなか表に現れてこないんです。」

 佐藤氏によると、外務省は、人事院で決める公務員給与とは別に、外務人事審議会というところで海外勤務手当をすべて決める。海外赴任中に私たちが驚くほどお金を沢山貯めることができるのはそのせいだ。「いちおう外部の有識者から構成されているんですが、要するに外務省自身のお手盛りなんですよ。」。もっとも、鈴木宗男氏が国会で追及したので、「今はどんどん下がってきている」というが。

 「出世コースから外れて課長になれなかったキャリアの連中と、45歳以上のノンキャリアというのは、実質上、退職するまでの二十数年間はずっと窓際なんですよ。しかし、かりにそいなったとしても、給料だけはずっと良いままなんです。(中略)プライドさえ捨てれば、お金は溜まるし、仕事はないしで、最高の職場なんですよ。」

 この『正義の正体』という本、たまたま、目にして読み始めたのだが、おもしろかった。刑務所と拘置所の違いなんてことも、初めて教わった。 

 

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