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2008年6月15日 (日)

やらねばならない医療制度効率化

 6月10日に開催された経済財政諮問会議のあとの記者会見で、大田弘子経済財政担当大臣が、「基本方針2006」で社会保障費を毎年2200億円削減するといっているのは、「毎年で言うと1兆円伸びているところを8000億円に抑えるということですので」誤解をしないでもらいたいと発言している。

 確かに、報道記事を読んでいると、社会保障費が毎年2200億円ずつ減少していくと受け取られかねない書き方をしていることがある。おそらく、国民の中には、そうした誤解をしている人もいるような気がする。また、最近、政治家からは、もはや効率化の余地はない、逆に、医療などで起きている問題を解決するためには、むしろ歳出増が必要であり、したがって基本方針2006にこだわる必要はないという意見が出てきている。大田大臣の発言は、そうした情勢を踏まえてのことだろう。

 ところで、10日の諮問会議では、民間議員4氏が「社会保障の徹底した効率化努力を」というペーパーを提出し、「現行制度の効率化にはまだまだ努力の余地があるのではないか」(八代尚宏議員)と言っている。

 そこで具体的に挙げているのは、まず、過剰投薬、重複検査や、保険の不正請求といった現行制度の問題点である。コンタクトレンズ処方の診療や、柔道整復の療養費などの不正・不適切な保険請求を是正することも必要である。また、手術前の検査入院が長過ぎるので、入院期間を半分以下に短縮すべきだという。

 第二に、医療のIT化(レセプト・オンライン等)の推進である。400床以上の病院は08年度からオンライン化を義務付けられたが、これを早くほかにも広げ、レセプト審査費用削減だけでなく、データ解析による検査・投薬の重複をなくす必要がある。

 第三に、後発医薬品の使用率引き上げである。フランスでは、後発薬にしか保険を適用しないという。日本でも、それをやれば、40%まで引き上げられるという。

 第四に、開業医の再診料のほうが病院よりも高いという説明のつかない診療報酬体系を改めるべきである(この格差をどう見直すべきかについては触れていない)。また、公立病院の人件費割合が高過ぎるなどの公立病院の問題点を改めるべきだという。

 以上のような対策を本気になって実施すれば、医療費を抑制可能だろう。私の見解を付け加えれば、医薬分業で処方箋専門の医薬販売店がたくさん生まれたが、それは調剤基本料、調剤料、指導管理料などで高い点数を稼げるからだ。そこにメスを入れたら、医療費を減らせると思う。

 このペーパーでは、医療人材の確保策についても、いくつかの対策を提示している。それはさておき、厚生労働省も、与党の厚生族議員も、国の財政の危機的な状態を考えずに、相変わらず高成長時代の感覚で考え、行動しているのには呆れ果てる。

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