« 若い世代を消耗品扱いしている | トップページ | 大阪府・橋下知事の言やよし »

2008年6月 8日 (日)

消費者も無い袖は振れない

 会社に勤めていたころから、休日には日常の買い物に行っていた。ちょっと格好をつければ、経済記者たるもの、普段使う生活物資・サービスの価格などがわからなくてはまともな記事が書けないと思っていた。いま、年金をもらうようになり、時間がたっぷりあるので、よくスーパーやパン屋などに行く。

 それだから、最近は、諸々の物資・サービスが値上がりしていることがよくわかる。ガソリンの急ピッチの値上がりは別格として、生鮮食料品なども概して高くなっている。狭い見聞だが、チラシで特売品とされるものの値段も、底上げというか、1年ぐらい前と比較すると上がっている。特売商品には以前より客が殺到している。日本経済新聞の商品欄を読むと、相当前から、ほとんどの記事に値上がりの見出しをつけている。目下、記事を読む限り、もの皆上がるトレンドが変わる兆しはうかがえない。さりとて、値上げで国内の供給者がウハウハすることもほとんどなさそう。

 春闘がわずかな賃上げに終わり、消費者の懐具合はさしてよくなっていない。一方で、これから電力料金なども上がる。過当競争に明け暮れ、値下げがとまらないエレクトロニクス製品のようなものは例外とみたらいい。消費者は基本的には無い袖は振れないから、どこかで節約するようになる。それが、具体的に、どういう形で現れるか、興味深い。

 いまは急激なガソリンの値上がりで、まず、マイカー使用を控えるという影響が出ている。それにより、石油サービスステーションの淘汰も起ころう。また、郊外型の大型店舗やレジャー施設の客足が落ちているようで、都市の繁華街に店舗を配置転換しようとの動きも出始めているという。

 それに、“頭の体操”では、外食を少し控えるようになるとか、パンから割安な米飯へシフトするとかが起きることが想像できる。あるいは、家庭で調理する人が増えるかもしれない。しかし、不景気になって失業が増えるのは困るが、資源や穀物の値上がりを契機とする物価上昇が、日本の過剰消費(浪費?)社会を是正するよいきっかけになるのかもしれない。

 第二次世界大戦に負けた日本の戦後復興過程を体験した人々(私もその1人)の多くが、いまだに“もったいない”の意識を持ち続けているように思う。しかし、のちの世代となると、そういう意識の人は少ない。いまの物価上昇は、そうした人たちの意識を変える可能性がある。それはまた、地球温暖化対策に通ずる。

 世界のあちこちで、石油製品の値上げで仕事がピンチになった人たちの抗議デモなどが起きている。だから、お気楽なことを言うのはいささか気がとがめるが、資源多消費型の経済社会構造を変えるには、ドラスティックな出来事が起きる必要があるのではないかと考える。日本においても、いまの諸物価上昇はプラスの面を評価したい。

|

« 若い世代を消耗品扱いしている | トップページ | 大阪府・橋下知事の言やよし »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/184848/41459771

この記事へのトラックバック一覧です: 消費者も無い袖は振れない:

« 若い世代を消耗品扱いしている | トップページ | 大阪府・橋下知事の言やよし »