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2008年7月26日 (土)

2011年度の基礎的財政収支悪化の見通し

 財政健全化をめざす第一歩として、政府は2011年度に国・地方の基礎的財政収支(PB)を黒字にしようとの旗を掲げてきた。しかし、内閣府は22日の経済財政諮問会議で、「進路と戦略」の参考試算を改定し、GDP比マイナス0.7%程度、金額にして3.9兆円程度の赤字になりそうとの試算結果を示した。

 ことし1月の試算では、0.1%程度、金額で7千億円程度の赤字だった。こうした数字は経済運営がうまくいった場合の「成長シナリオ」に基づくもの。しかし、生産性があまり上がらないなどの「リスクシナリオ」だと、今回発表の試算では、PBはGDP比マイナス1.1%程度(1月試算より0.5ポイント程度拡大)にも達する。

 赤字が拡大したのは、1つには税収減によるという。2007年度一般会計決算で国の税収が補正後見込みより1.5兆円程度少なかった。地方の税収も計画ベースを0.8兆円程度下回った。それで、08年度の国・地方税収を2.3兆円程度下げた。いま1つは、2011年度にかけての名目経済成長率を下方改定したためという。諮問会議で、伊藤隆敏民間議員は、見通し改定は①外的ショックによる成長率の低下、②日本が自らつまづいた、すなわち「例の建築基準の改定の影響が非常に大きかった」と指摘している。

 諮問会議の議長として、福田首相は「成長力の強化と財政健全化の両立は容易なことではないが、日本はこの道を追求していくしかない。狭い道だけれども、この狭い道を追求していくしかない」と述べた。もっとも、諮問会議に同席していた町村官房長官は、もっと国民に明るい展望を示す必要があるという意味の発言をしていた。財政健全化の旗を下ろしかねない与党の雰囲気を感じさせる発言である。

 ちなみに、民間議員のペーパーによれば、07年度のPBはGDP比マイナス1.1%程度。国・地方の利払いを含む財政収支はGDP比マイナス2.7%程度。GDPに対する政府債務残高の割合は07年度末で142%程度である。これほど財政危機が深刻だから、新たな財政需要に対しては、諮問会議で民間議員がペイ・アズ・ユー・ゴー(既存の予算を削り、新たな歳出に充てる)や消費税引き上げを求めるのは当然である。

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