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2008年7月17日 (木)

(株)ロフトの“社員”化

 雑貨専門店の株式会社ロフトが3月半ばに、本社員、契約社員(1年ごとに更新)、パートタイム(6ヵ月ごとに更新)の3通りに分かれていた雇用形態を社員に一本化した。その結果、それまで有期雇用形態の契約社員およびパートタイムがほとんどだった従業員が、9割方、無期雇用の社員になったという。(ほかに2ヵ月とか、6ヵ月の雇用契約のアシスト社員がいる)。

 一方で、期間1年、3年という有期雇用形態を選択することも可能としたので、それまで契約社員やパートタイムだった人の中には、無期雇用の社員にならず、この有期雇用を選んだ人もいる。労働時間は無期、有期とも、週20~40時間の中で選択可能とのこと。この変更後も、従来の契約社員、パートタイムに相当する人たちは社員といっても時間給で、その相場がグレードによって高卒初任給並み、短大卒初任給並みになる。

 経済財政諮問会議の労働市場改革専門調査会が6月13日の会合に、ロフトの篠田信幸取締役執行役員および株式会社ヒューマンプラス(クレディセゾングループの人材派遣・人材紹介会社)の難波赳夫顧問を招いてヒヤリングした。そのときの議事要旨に、そのようなことが載っている。

 ロフトの社員化は、フロントの戦力を上げるのと、従来の社員であろうと、有期雇用であろうと、時間当たり賃金を基本的に「能力の下に皆、平等」という人事の理念に沿ったものにするという両方のねらいに基づくという。

 非正規雇用が日本全体の3分に1に及ぶなどといわれ、非正規雇用を正規雇用に転換することが社会的課題にすらなっている。したがって、ロフトの社員化が注目を浴びたわけだが、難波顧問が会合の最後に発言している内容は大事な点を指摘しているように思う。すなわち、――

 新聞などで、正規、非正規とか、本社員だとか書いているが、「私たちからしてみると、正規、非正規ということではなくて、働く人ということの中に時間の区分がたまたまあって、それに対する処遇としていろいろな形があるというふうになっていると考えてもらえると、すごく動きやすい」。

 社員からは、ロフト社員であるといっても、「履歴書にどう書けばいいのか、それがどう履歴として評価されるのか、次の会社に転職するに際して、これはパートなのか、本社員なのかとどうしても聞かれると不安だ」というようなところがあって、非常に神経質に質問されたりするという。「したがって、通念上はやむをえないことだろうが、できれば、言葉が何らかの形で少し整理がつくと私たちも動きやすいという気がする」。

 これに対して、調査会の八代尚宏会長は「ロフトのように正社員はちゃんと能力主義というか、きちんと評価された時間給であれば、もともと正規、非正規の差はないわけで、能力主義ではない会社が非正社員との差を要求するというのが問題というのが私の解釈である」とコメントしている。

 正規、非正規と区分して、非正規雇用はけしからんという単純な発想は必ずしも適切ではないようだ。 

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