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2008年7月18日 (金)

増える医療費の中身を見る

 日本全体の医療費は1年間に1兆円増えている。そのうち、70歳以上で約7千億円を占めるという。厚生労働省が16日に発表した07年度の国全体の概算医療費の内訳による。発表資料は、医療保険のレセプト審査に基づく医療費。自由診療は含まないし、労災も入っていないが、全体の動向はつかめる。

 1兆円の医療費増を誰が負担するのかについては、この発表資料は何も触れていない。過去のデータから推定すると、医療費全体の3分の1程度が国庫負担および地方自治体負担なので、そのぐらいの割合の金額が国および地方の財政の負担増になっているのではないか。残りは、私たちの保険料や、診療を受けたときの自己負担の増加と、事業主負担の増加になっているだろう。

 発表資料によると、07年度の医療費は33.4兆円。医療保険適用は31.9兆円(その差1.5兆円は公費負担のみの医療費)で、70歳未満が17.4兆円、70歳以上が14.5兆円である。70歳未満の医療費は01~07年度、ほぼ横ばいに推移している。それに対し、70歳以上は02年度11.7兆円から毎年0.5~0.7兆円増えてきた。

 1人当たり医療費は01年度23.9万円だったのが07年度26.2万円へと年々増えてきた。70歳未満は01年度15.7万円だったのが07年度16.1万円とやや増え気味である。これに対し、高齢者の場合、01年度75.8万円だったが、07年度も75.7万円と弱含み横ばいである。要するに、70歳以上の人の数が増えたことが、全体の1人当たり医療費を押し上げる主因なのである。今後もまだまだ高齢者の数が増えるから、医療費を押し上げる圧力は強いだろう。

 診療費と調剤とに分けてみると、07年度は28.2兆円と5.2兆円になる。01年度は27.1兆円と3.3兆円だったのだから、調剤の伸びが著しいことがわかる。診療費の内訳は医科が増える一方、歯科は横ばい。そして、医科は07年度に入院13.4兆円、入院外12.4兆円で、入院のほうが少し早いペースで増える傾向にある。

 マクロ的にみると、以上のように医療費(負担)は増える一方。他方で、医療崩壊といわれるような現象がいろいろ起きていて、国民にとっては深刻な事態である。良薬は口に苦し、というが、快刀乱麻のごとく問題を解きほぐし、すぐれた処方箋を書くことができる政治的リーダーないし勢力が現れてほしいものですね。

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