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2008年7月22日 (火)

社会保障の給付と負担のありかたへの選好

 22日発表の経済財政白書には、中長期の社会保障の選択肢について行なったアンケート調査の結果が載っている。(A)給付維持・負担上昇と(B)給付削減・負担維持のどちらを支持するか、の質問に対し、全体としては(A)よりも(B)への支持のほうが多いという。

 回答全体のうち、(A)は4.7%、どちらかといえば(A)が19.3%なのに対し、(B)は14.7%、どちらかといえば(B)が33.6%である。(A)と(B)の中間という回答は27.6%だという。(A)派(4.7%+19.3%)と(B)派(14.7%+33.6%)の割合をみると、ほぼ1対2になっている。

 (B)というのは、1人当たり負担を維持する場合で、①給付を3割程度削減することが必要である、②潜在的国民負担率は45~46%程度に抑えられる、③さらに、合計で年間にして8~24兆円程度の増税が必要となる、というケース。一方の(A)は、1人当たり給付を維持する場合で、①国民の負担は年に11~12兆円程度増加する、②潜在的国民負担率は49~51%程度にまで高まる、③さらに、合計で年間にして14~29兆円程度の増税が必要となるケースである。

 社会保障の将来について、国民が給付の維持のために負担増を受け入れるのか、それとも、負担増を嫌い、給付の削減を受け入れるのか、そのどちらなのかをアンケートは尋ねたわけである。といっても、(B)のように負担維持のケースであっても、財政悪化を止めるための増税は避けられない。日本の財政危機は深刻だから、社会保障を考えるときにも、全体の財政状況を常に踏まえなければならないのだ。

 このアンケート結果を年齢ごとにみると、年齢が上がるほど、(A)派の割合が増え、(B)派の割合が減っている。まあ、常識的な結果と言える。ただ、おもしろいことに、(A)派は55~59歳が一番多く、なぜか60~64歳、65~69歳と段々下がっている。(B)派は55~59歳が最も低いパーセンテージだ。ついでにいうと、(B)派が一番、比率が高い年齢層は25~29歳、(A)派が最も低いのは30~34歳である。

 このように、年齢別にみた選好度合の違いが顕著だと、今後の社会保障制度のありかたに関して老対青という世代間の対立を招きやすいのではないか。衆院選挙が近づくにつれ、老人に一段と配慮する政策をという傾向がみられるが、それは世代間の対立をあおることになりかねない。

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