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2008年7月21日 (月)

地方財政の危機を訴えた全国知事会

 先週末に終わった全国知事会は、真の地方自治確立に向けた地方分権改革をめざし、「地方への税源移譲を含む税財政構造の改革や、二重行政を解消するための組織改革」を政治主導で推進するよう福田総理大臣に要望した。

 知事会の「地方財政の展望と地方消費税特別委員会」の中間取りまとめによると、地方財政は今後とも深刻な財源不足状態が続く。内閣府の成長シナリオに基づく試算をもとに全国地方自治体の財政を推計した場合、義務的経費や社会保障関係費の増加で、財源不足額は2008年度6.7兆円、09年度7.2兆円、10年度7.5兆円、11年度7.8兆円と膨らむ。これに伴って、財源不足を補填する基金残高は08年度4.1兆円、09年度1.8兆円、10年度0.3兆円と減り、11年度には枯渇する。都道府県・市町村とも11年度には財政破綻するという。

 このため、知事会は地方税財源の充実強化を図ることが必要不可欠としている。まずは国と地方の税源配分を5:5にすべきだと主張。税源の偏在性が少なく、税収の安定性を備えた地方税体系構築のため、地方消費税の充実等、端的に言えば、地方消費税率の引き上げを求めている。また、三位一体改革で削減された地方交付税の総額を復元・増額するよう要求している。地方交付税を「地方共有税」に変更し、国の一般会計を通さず地方共有税特別会計に直接繰り入れるという提案もしている。

 そして、地方自治体は「懸命に行財政改革に取り組み、国を上回るペースで歳出削減努力を行なってきた」のに、国は地方支分部局(出先機関)の廃止・縮小などを進めていないとして、遅れている国自身の行財政改革を断行すべきだと主張した。

 こうした地方分権をより進めるための提案には賛成するものが少なくない。地方消費税引き上げの要求をはっきりとうたったのは、国民に対する問題提起として評価したい。ただし、知事会の要望は地方自治体に都合がいいことばかり書いているという面もある。道路予算については、知事会内部に意見対立もあり、「充実」とか「重点的に配分」という表現しかなく、「削減」という言葉がない。

 また、知事会は歳出削減努力を誇っているが、いまだに、地方自治体では年度末に道路工事などで予算を無理矢理、消化している(片山慶応大学教授)。それに、国が繰り返し求めているが、民間の給与水準を大幅に上回る職員の給与引き下げがなかなか進まない。それらに示されるように、地方自治体の行財政改革は生ぬるい。そのツケが地方交付税交付金などで、国の財政に回っているという面があることは否定できない。

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