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2008年7月 6日 (日)

“上げ潮派”の提案

 自由民主党の清和政策研究会政策委員会が4日に発表した『「増税論議」の前になすべきこと―「改革の配当」の国民への還元―』を読んだ。①.08年度中の対応(最大6.8兆円)、②.09年度予算での対応(10兆円以上)、③.「歴史的合意のための3年」に使うべき「改革の配当」、④.増税の前に実行・決定すべき3年間の政策課題、の4つに分けて提案し、3つ目は3年以内の「改革の配当」の国民還元(9.2兆円超)、3年以内に合意形成をめざすべきもの(最大31兆円)に分けて提案している。

  「無駄を残したままの増税は国民に許されるものではない」。「政府が抱える膨大な債務だけを強調する議論は日本経済の将来について国民の間に過度の悲観論を誘発している。しかし、資産もまた膨大であり債務は圧縮できる。公の固定経費の無駄はまだ削れる。その分を国民の能力開発や公共サービスに配分すれば経済は成長する」。いわゆる“上げ潮派”の主張がそこに展開されている。

 それらの提案はいわゆる“埋蔵金”といわれるものが中心になっている。これまで、あまり議論されなかったため、国民も気付かない部分が大半だ。しかし、こうした問題提起を真正面から受け止め、大阪府の財政再建のステップのように、制度の1つ1つについて、ゼロベースで見直す契機にすれば、いまの財政論議に大きく貢献することは間違いない。

 この政策委員会をリードする中川秀直氏は、先日の記者会見で、人間力を発揮することができれば、日本も欧米並みの経済成長ができるはずだと言い、上げ潮路線は英国のブレア前首相の考えと全く同じだと語った。そして「夢と希望は普通の政策をとれば、すぐ実現できる」と述べた。ことはそう簡単ではないと思うが、党内での政策論議が活発になるのは、自民党の柔軟性を表す。選挙を意識し過ぎて、半年も1年も党内論議を抑え込むのは、愚の骨頂ではないか。

 そう言えば、中川氏は先日の記者会見で「日本では、エリートのほうが劣化している」、「官僚が優秀だから、日本経済が成長した、なんて全く思わない」、「官の世界に専門人材はいない。ヒューザー関係で、1人もいないことがはっきりした」、「いまは総合性と専門性の両方を兼ね備えることが必要。官から民へ、民から官への人の移動があるべきだ」と官僚に厳しい見解を述べた。政策委員会提案においても、「まず、国会議員が自ら身を削り、公務員も身を削ることが求められる」と書いている。

 ということで、一読をお勧めする(中川氏のホームページ)。 

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