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2008年8月 2日 (土)

福田改造内閣の評価

 メディアの世論調査によれば、内閣改造で、福田政権の支持率は少し上がった。しかし、民主党の支持率のほうが自民党のそれより高いことは変わらない。

 改めて改造内閣の顔ぶれを見ると、魅力に欠ける。清新さもない。昔の名前で出ています、という感じでしかない。福田首相は個人的にはまじめないい人なのだろう。しかし、テレビを見ても、国民に訴えかける言葉を持たない。各閣僚にしても、派閥のボスとか準ボスが多いが、彼らは魅力がない。古色蒼然とした印象である。自民党は長く政権の座にあり、閣僚のポストをたらい回ししてきたので、ああ、この人か、と名前は知ってはいるが、過去に大臣のとき、何かをなした人という記憶が私にはほとんどない閣僚ばかりなのである。

 麻生幹事長の個人的な人気はあるにせよ、党4役を含め、政府・与党の主要な顔ぶれが自民党の退勢を挽回できるとは思えない。時代の風を読み、それを踏まえて清新な顔ぶれをそろえることができるなら、内閣改造にも多少の意味があるが、挙党体制をつくることに必死だったというのでは、福田首相の限界をつくづく感じる。

 戦後、長く官僚支配が続き、閣僚も与党議員も、官僚制度に乗っかっていれば、うまくいくと思っていた。それが、内外の情勢が激しく変わるようになっても、基本的には変わっていない。新閣僚になったとき、即刻、その官庁の役人のレクチャーを受け、それをもとに就任早々の記者会見で答えると、それが以後の大臣の行動や発言を拘束してしまう。官僚の言いなりになるのである。そうした問題をわかっていて、大臣が自らの考えで答えることができればいいが、そういうしっかりした政治家は自民党にどれだけいるのか疑わしい。内閣改造があっても、官僚支配の構造は続くのである。

 自民党にも有能な若手議員がいる。だが、今回、彼らの起用はわずかだった。党が政権を失うか否かの危機に直面しているのに、主要閣僚や党4役のような重要なポストへの若手起用は少なかった。大臣と4役の22人のうち、60歳未満は6人しかいない。65歳以上は12人にも及ぶ。グローバル化、IT革命や世界の多極化などをトータルにとらえつつ内政の諸課題を適切に処理し、国民を幸せにするには、どういう政治家が上に立つべきかが福田首相にはわかっていないのである。

 ところで、最近、よく言われるのは、「メディアも悪い」ということだ。福田首相に対するインタビューで、びしっと切り込むことが皆無なのはどうしたことか。いつ、誰が、どこで、何を、なぜ、どのように、というのを追究するのが最低限、メディアの役割だが、「なぜ」の追究が弱い。客観報道といえば格好いいが、国民・市民の幸せとか、望ましい姿という基軸がないままに報道合戦に明け暮れていると、新聞の読者やテレビ・ラジオなどの視聴者に見放されてしまう。1分1秒でも早くという速報よりも、すぐれた分析、問題提起にもっと力を入れてほしいと思う。いまもって年功序列で、ベテランはニュース報道の第一線にはいないという、メディア側の旧態依然たる構造こそ大きな問題である。

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コメント

はじめまして
いわゆる「政官業」のトライアングル体制から「NPO(収益を主たる目的としない組織)」を加えたスクエアー体制こそ!新経済成長戦略や公務員改革などを解決する最適な手段!と考えている者です。

ということでありまして、国家と対等な存在としての「NPO設立構想」を何方かに話す中で更なるブラッシュアップを目論んでいるのですが、そのようなテーマで面談することは可能でしょうか?

投稿: 三成21 | 2008年8月 3日 (日) 12時38分

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