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2008年9月19日 (金)

特別会計改革についての八代氏の提案

 福田内閣のもとでの最後の経済財政諮問会議が17日に開催された。テーマはいろいろあったが、議論は当然のことながら盛り上がらなかった。八代尚宏民間議員の「特別会計改革の方向性について」のペーパーが配られたが、八代氏の説明もなく、議論の対象にされなかったという。

 しかし、このペーパーで指摘している問題点は無視すべきものではない。議論の余地はあるにせよ、特別会計に関する改革が不十分なことがよくわかる。問題点を網羅的に紹介するのではなく、私が関心を抱くいくつかの指摘を取り上げると――

 外国為替資金特別会計は外貨準備資産が約1兆ドルに達し、その大部分を米国債で運用している。この外貨準備と見合う形で国内で外国為替資金証券(短期国債)を発行して、利子を払っている。さらにドルベースの運用益に見合う外為証券を発行し、外為特会に預託している。しかし、外為特会の資産、負債の両建てにせず、外貨資産だけを保有して、外為証券の発行をしない場合、何か問題が起きるのか。

 空港整備勘定は全部の空港の収入をプールしている。いわゆる、どんぶり勘定である。歳出面でも、国管理の空港の空港整備費についてだけ4つの地域別区分があるにとどまる。今後、独立行政法人化が検討されているというが、個別空港の損益計算書、貸借対照表などの情報公開とそれによるガバナンスは言うに及ばず、滑走路・管制塔、ターミナルビル、周辺の駐車場を含めた財務報告書や政策コスト分析の適用が必要ではないか。

 特別会計の積立金の適正規模に関する基準が明確でない。歳出を合理化しても、積立金が膨らむだけで、財政の負担軽減につながりにくい。

 また、大口の積立金については、財政融資資金特別会計に預託して、その統一的な運用にゆだねることになっているが、運用成果は低い。例外的に自主運用を認められている年金保険特別会計のように、労働保険特別会計などについては自主運用を認めるべきではないか。

 特別会計の積立金・剰余金を“埋蔵金”として景気対策などの財源に充てるのは、「追加的な国債発行を伴わないものの、純計ベースでの債務が増える点では、隠れた国債発行と同じ」。必要額以上の積立金等は財政健全化のため、直接、国債整理基金に繰り入れるとか、保険料等の引き下げに充てることが考えられる。

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