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2008年9月 8日 (月)

介護保険事業に対する行政評価と総務省の勧告

 厚生労働省が所管する介護保険事業の“成長”ぶりにはぞっとする。介護保険事業がスタートした2000年度の利用者数が184万人だった。それが年々増えて2007年度にはほぼ2倍に達した。介護給付費もほぼ2倍に増加した。2000年度3兆2427億円だったのが、2007年度(予算)に6兆6691億円である。

 訪問介護の事業所は2000年度に9833だったのが、2006年度には20948に、通所介護(デイサービス)の事業所も8037から19409に増えた。介護療養型医療施設は減ったが、介護老人福祉施設(特養ホーム)および介護老人保健施設も3割近く増えた。介護関連事業は日本の経済社会における高度成長分野である。

 当然、国民が負担する介護保険料は上がってきた。国や地方自治体の負担も同様だ。もとをたどれば、医療保険制度がパンクしそうになったため、当時の厚生省が拙速で立ち上げた介護保険制度である。法律を通すため、例によって、利用者数も、国民の負担も少なめに予測していた。“小さく生んで大きく育てる(?)”つもりだったのだろう。

 総務省が9月に発表した「介護保険事業等に関する行政評価・監視結果に基づく勧告」は介護サービス従事者の確保に関する厚生労働省の取り組みなどについての問題点を明らかにしている。最も重点を置いているのは、介護サービス従事者の確保が困難であることに対する厚生労働省の取り組みについてである。結論を私なりに言えば、もっと真面目にやれ、ということである。

 勧告の中で、ゴチック体で強調されている部分を紹介すると、介護サービス従事者の「①離職原因・未就業の原因の実態把握、どのような対策等が講じられれば就業するのかなどについての意識調査が未実施、②介護サービス従事者の賃金の多面的・総合的な把握・分析が不十分、及び③介護サービス事業者の財務状況の分析が不十分」という。

 「所見」では、それらの「介護サービス従事者の確保に関する基本的な指標の把握・分析を行ない、その結果を踏まえて、介護サービス従事者が定着し得るような介護報酬を含む対策について検討する必要がある。」と述べている。厚生労働者は09年度に介護報酬の見直しを予定しているが、同省お得意の安易な制度見直しについて、予め待ったをかけたと言えよう。

 この「勧告」には、不正受給をなくす介護保険給付の適正化とか、有料老人ホームへの指導監督なども取り上げている。厚生労働省が制度をつくっても、その実行にたずさわる市町村が効果に疑問を抱き、実施していないとか、都道府県や市町村が決められた監査などをさぼっているとか、国も自治体もかなりでたらめなことが指摘されている。 

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