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2008年9月14日 (日)

「国の財務書類」を眺めると

 先頃、財務省が一般会計と特別会計とを合わせた国の06年度末のバランスシート(貸借対照表)等を発表した。「国の財務書類」と題するこの発表資料によると、民間企業を見るのと同じ感覚で国の財政を一覧できるという触れ込みで、バランスシートによると、資産の合計は703.9兆円、負債の合計は981.2兆円で、債務超過額は277.3兆円である。(ちなみに一般会計単独では335.4兆円の債務超過である。)

 バランスシートの注には、「資産への計上額には道路や河川等といった売却が考えられない資産が相当程度含まれ」ているので、「将来の国民の負担になる債務としては、基本的に将来世代が税負担により償還することとなる普通国債残高(06年度末は約534兆円)が1つの目安」と書いている。

 日本の財政状況はさほど悪くないと言う論者が挙げる根拠の1つが、このバランスシートの債務超過額である。一般会計単独にせよ、一般会計・特別会計一体にせよ、対GDP比で6割強か5割強にすぎないじゃないかというわけだが、財務省はそうした見解を注記で否定しているわけだ。

 一般会計・特別会計の06年度末バランスシートに日本郵政公社(当時)、年金積立金管理運用独立行政法人、住宅金融公庫(当時)など政府系220法人を連結させたものも発表された。それによると、資産832.3兆円、負債1093.5兆円で、債務超過額は261.2兆円である。

 一方、フローを示す行政コスト(業務費用計算書)も発表しており、06年度の一般会計・特別会計の業務費用は122.2兆円だった。財源は107.4兆円なので、当期純損失相当額(資産・負債差額増減計算書)は14.8兆円となっている。企業決算と似たやりかたなので、国債などの債務償還費(06年度211.6兆円)は計上していない。利払費8.8兆円は計上している。

 一般会計・特別会計の業務費用の内訳は、年金・政管健保給付費等が47.1兆円、補助金等が27.7兆円、地方交付税交付金等が20.5兆円で、これら3つだけで78%に達した。

 また、220法人を連結すると、業務費用が23.9兆円増大して146.0兆円になった。当期純損失相当額は6.3兆円である。

 こうした開示情報をどう料理し、活用するか。それが私たちの課題である。

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