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2008年9月29日 (月)

若い世代に視点を移せ、という財政審での発言

 9月3日に開かれた財政制度等審議会の会合(財政制度分科会財政構造改革部会及び法制・公会計部会合同会議)は、伊吹文明財務大臣(当時)の話や数人の委員の自由な意見表明があった。議事録を読むと、彼らがいまの財政運営に対して、どんな問題意識を持っているかがわかる。

 富田俊基中央大学教授=今の経済は名目ではゼロ成長。皆さん、金利は低いと言うが、年1.4%。税収と利払費はどちらが大きくなるかを考えれば、ばらまきのように朝四暮三的なことを国民のためだなどと考えていると問題は大きい。

 田近栄治一橋大学教授=もう少し視点を若い人のほうにも置かないとバランスがとれない。それに、高齢者の間での助け合いというのも前面に出すべきではないか。

 宮本勝浩関西大学教授=かつて財政危機に直面したカナダやスウェーデンがどれだけ大変な努力をして歳出削減したかをきちんと調べて、国民、さらには国会議員にきちんと提示してほしい。そのために政府に、研究チームというか、報告書を書くチームを設けてもいいのではないか。

 土居丈朗慶応大学准教授=あまりにも将来世代、ないしは若い世代の人たちのことを軽くみているのではないか。

 伊吹大臣の冒頭あいさつ、および委員の意見表明に対する大臣の意見は率直な内容だった。即ち、①財政の問題と環境の問題は極めてよく似ている。いまの人が矜持を忘れて安易に暮らすことによって、次の世代に問題を先送りしている。これは極めて世代間のモラルに反する。②長寿医療制度は、もう少し若い方々のためにやったのだということを当初に明確に説明すべきだった。③私が一生涯、納めた保険料は、80歳まで生きるとして受益するだろう年金・医療・介護の総額の多分、7分の1くらい。残りは現役世代にかぶせているのだ―と。

 旧大蔵省の出身で政治家になった伊吹氏は、この会議の席上、財政改革について持論の2つの玉手箱を開けないという話を披露したあと、「2歩進んで1歩退き、1歩退きながら2歩進む、10年たてば必ず恒久財源の下で少なくとも財政再建の道を歩めるという政治的なシナリオを念頭に置きながらやっていきたい」と語った。

 自民党政治の過去をみると、残念ながら伊吹氏の見解とは異なる。2歩退き1歩進むという繰り返しではなかったか。そして、いままた、さらに1歩後退しつつあるのではないか。

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