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2008年10月 9日 (木)

求む、世界経済再生の道筋を主唱できるリーダー

 ノーベル物理学賞に続いて化学賞も日本人の受賞が決まった。求道者のように、ひたすら研究を重ねて大きな貢献をなした受賞者たちの笑顔はすばらしい。これを契機に、理系の大学志願者が増えれば、うれしいことだが。

 現実の政治・経済・社会に戻ると、2日前に会ったシステム関係の大企業の社長は「いまの世界を見たら、日本は選挙どころではない。それなのに、政治は選挙しか関心がないし、メディアも、政治記者は政局しか見ていない」と心底怒っていた。日本経団連も、そして良識派が多いとされる経済同友会も、選挙どころではないでしょうと声を上げてもよさそうだが、そんな様子はないみたい。

 麻生首相の指示もあり、10日に開かれるG7財務相・中央銀行総裁会議では、中川財務・金融担当相が日本の金融危機対応の経験を伝えるという。ヨーロッパの国々も米国も、そしてオーストラリアなども、多かれ少なかれ日本の経験から学んでいるようだが、いま日本がなすべきことは、世界の金融経済の欠陥を是正して、いかに安定した秩序を築くか、そのグランドデザインを提示してみせることだろう。それはおそらく、過去に自ら痛い思いをし、いま、ほとんど火がついていない日本にしかできない。

 そのためには、内閣直属の研究チームを設ける。そこには、政府・中央銀行の幹部のみならず、銀行、保険、証券、商品、外国為替、住宅金融などの専門家や、監査法人、格付け機関、税務、法務、情報システムなどの関係者を集める必要がある。海外からも随時参加してもらうのがよい。国内においても、国境を超える資金移動についても、これまでよりも規制色が強まるのは確実だが、国内、そしてグローバルに、整合的な金融の新たなシステムを提唱する意義はきわめて大きいと思う。それができるリーダーが求められる。

 日本の金融危機においては、企業の人、モノ、カネの過剰が根底にあった。米国のサブプライム問題では、低所得の個人に対する過剰な住宅資金融資と、そのリスクを分散するための証券化とがもとにあった。そうした違いがあるから、日本の経験を過大に評価すると間違うおそれなしとしない。そういう観点を踏まえながらも、日本はこの問題では、G8議長国として世界に貢献できるのではないか。日本の悪い癖だが、カネを出すことで貢献するなどと思うのはやめたい。

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