« 求む、世界経済再生の道筋を主唱できるリーダー | トップページ | グローバル化のもとでは皆、群盲でしかない »

2008年10月11日 (土)

企業再編の嵐が来る?

 サブプライム問題の波紋が広がり、米欧の銀行、証券など金融産業では企業のM&A(合併、買収)や国有化が進行中である。それに加え、最近は、信用収縮が産業界にも影響してきて、事業会社のM&Aも大きな波になりそうな気がする。

 米フォードが関係会社のマツダの株式を手放すという。フォード再建のためにはマツダは手放せない戦略的な関係会社ともいうべき存在だと思うが、それでも手放さざるをえないのは、とにもかくにも資金繰りがピンチだということしか考えられない。当面はカネの切れ目が‥‥というわけではないが、中長期的には、フォードの経営再建はより難しくなったのではないか。

 GMがクライスラーとの合併交渉を行なっているという報道があったが、それには納得できる根拠が考えつかない。ただ、米国自動車市場が2割以上縮み、もとに戻る可能性が近い将来にないとすれば、GM・クライスラー合併で設備、人員などを大幅に削減することは業界全体の需給改善につながることは確かだ。

 日本では、業績不振に苦しむレナウンが英国の子会社のアクアスキュータムを手放すという。1990年に買収したが、ここ数年、赤字が続き、黒字化のメドが立たないからである。どんなに著名な会社を買っても、それを生かし切る経営の能力がなければ、結局は重荷になるということだ。それはモルガン・スタンレーに2割超出資する三菱UFJフィナンシャルグループについてもあてはまる。

 日本板硝子が英国ピルキントン社を買収したあと、ピ社のトップを日本板硝子のトップにすえたのは、見事な決断だった。ピ社を買収してみたものの、グローバルなビジネスをリードする経営能力が日本側にはないと気付いたからである。日本の企業がM&Aを行なうとき、大きさにこだわるのもいいけれど、1+1が2を超えるというような相乗効果がなければ失敗と思わねばならない。

 高島屋が阪急阪神百貨店との統合へと踏み出した。それに、ローソンがam/pm買収へと優先交渉に乗り出す。日本の人口が減り始め、原油高による産油国への所得移転で、国民の購買力も減ってきた。政治の停滞、経済構造改革の頓挫などもあり、国内に依存するサービス業はマクロの状況変化に応じて事業者や店舗などの数を整理統合せざるをえない。

 ところで、現在の世界に広がった信用恐慌的な危機は日本の経済にも当然、影響している。すでに、大和生命の破綻や不動産会社の倒産などが起きている。経済界では、この危機のゆくえを不安げに見守っているようだ。企業によっては、不要不急の支出を抑えるようにしているという。為替の見通し変更で、輸出企業の収益予想は切り下げられつつある。また、慎重な経営姿勢が取引先などに連鎖的に波及し始めた段階である。そうしたマイナスの連鎖もまた、倒産、企業合併などといった新たな再編劇を繰り広げるのではないか。

 ワシントンで開かれたG7の財務省・中央銀行総裁会議は5つの行動計画を発表したが、具体策は各国に任せられる。肝心の米国がこの会議の結論をどこまできちんとかつ早急に現実化するか、それ次第で、世界および日本の経済の受ける影響の大きさも変わる。

|

« 求む、世界経済再生の道筋を主唱できるリーダー | トップページ | グローバル化のもとでは皆、群盲でしかない »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/184848/42758030

この記事へのトラックバック一覧です: 企業再編の嵐が来る?:

» アメリカ自動車ビッグ3の終焉がもうすぐそこに。 [本質]
アメリカの象徴でもあり、世界の自動車産業を牽引してきたビッグ3ですが、本当の終焉 [続きを読む]

受信: 2008年10月12日 (日) 12時50分

« 求む、世界経済再生の道筋を主唱できるリーダー | トップページ | グローバル化のもとでは皆、群盲でしかない »