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2008年11月 3日 (月)

医療保険のムダや不正

 「医療崩壊」で、医療費が低いことに原因があるかのような意見が出ている。低医療費犯人説だ。しかし、ことはそう単純ではない。朝日新聞の10月31日朝刊の特集「医療費むしばむ架空請求」は、医療機関の医療保険に対する不正請求が多いことを具体例を挙げて指摘している。

 治療してもいないのに、あたかも治療したかのように政管健保(10月から協会けんぽに組織替え)など保険運営者に不正に治療費を請求する。そうした医療機関による不正は、公金を詐取する行為だから刑事犯罪である。それを防ぐには、政管健保、国民健保などがきちんきちんと保険加入者にどこの医療機関でいくらかかったかの明細を定期的に送り、確認してもらうことが欠かせないし、レセプト(診療報酬明細書)を審査する社会保険診療報酬基金などがもっと厳しくチェックする必要がある。そして、不正が露見したら、刑事罰を課すようにしなければならない。

 しかし、不正が明らかになっても、社会保険事務局や市町村は医療機関に厳しい態度をとらないという。それに、厚生労働省の天下り先である支払基金のレセプト審査はかねてより甘いといわれている。支払基金の審査料はレセプト1枚につき114.20円、調剤57.20円もするが、コンピュータでオンライン化すれば、コストが大幅に下がるはずだし、不正請求を発見しやすくなるが、医師たちの抵抗でいまだに出来上がらない。

 医療機関の間をオンライン化すれば、1人の患者が別の医療機関に行ったとき、すでに受けた検査を繰り返して受けることは要らないだろう。また、医者にかかった経験がある人なら、大抵、飲み残し、使い残しの薬品があるだろう。医療機関は検査も薬も多く出す傾向がある。

 医者の口からは医療費抑制政策への批判が出る。しかし、不正請求などがまかり通り、かつ、検査漬け、薬漬けで診療報酬をかせぐいまの医療および医療保険制度のありかたを反省することなく、あたかも医療費を高くすれば問題が解決するかのような発言は、いわゆる業界エゴでしかない。ムダや不正などをうんと減らせば、病院の医師などの給与をもっと上げることができよう。

 いまは、国家試験で資格を取得することで、特権を得たようなつもりでいる医師たちが多いらしい。だが、本来は、医業を営む免許(一般の人たちには医業をやらせないということ)を国家から付与された見返りに、国民に奉仕する義務が伴うと考えるべきだろう。医は算術ばかりでは免許制をとっている意味がないと思う。

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