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2008年11月28日 (金)

民間準拠せぬ東京都の技能労務職員の給与

 地方公務員の給与水準は民間準拠を基本とするとされているが、過去、民間よりかなり高かった。近年、各地方公共団体は厳しい財政事情もあり、地方公務員の給与水準を徐々に民間レベルに近づけてきたが、自動車運転手、電話交換手など技能労務職員に関しては民間よりまだかなり高い。このため、財務省の財政制度等審議会の建議や政府の経済財政改革の基本指針2007などにおいて民間水準にまで引き下げるよう求めてきた。

 東京都の人事委員会が7月に行なった技能系従業員(技能労務職員)に関する民間給与実態調査の結果をみると、都内民間事業所の月額給与は33万8915円(平均年齢49.6歳)だった。国家公務員は32万0623円(同48.9歳)。それに対し、都職員は38万9066円(46.1歳)とかなり高い。民間より約15%高いことがわかる。これに基づいて、都の人事委員会は10月16日の勧告で「調査結果を参考とし、見直しを行っていくことが必要」と述べている。

 このため、11月27日付け日本経済新聞によると、都は都労働組合連合会との間で平均8%引き下げることで合意したという。都議会にそれに基づいた条例改正案を提出するそうだ。しかし、驚いたことに、2010年4月の新規採用者から改定後の水準を適用すると書いてある。いまの職員(来年春に都に就職する者を含めて)は8%削減の対象ではないということだ。民間より約15%も高い給与を1円たりとも下げないというわけである。民間準拠なんてどこ吹く風で、既得権益を退職するまで放さないことを意味する。

 そんな合意をした都の幹部たちは、労使関係を良好に保つことを優先し、納税者や都民の利益を二の次にしている。とんでもない輩だ。財政放漫は許しがたい。

 それはさておき、2010年3月までの新規採用者と2010年4月以降の新規採用者との間に賃金レベルの断層ができるが、賃金体系として将来、連続的なものにするのか、しないのか。するとしたら、どうやるのだろうか。2010年4月以降の新規採用者でも民間よりかなり高い給与だから、彼らにしても、さらに民間に近づける必要がある。そのあたり、都は都民に説明する義務がある。

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