« 年金の世代間格差についての吉川洋教授の意見 | トップページ | 事故米不正流通で指摘された農水省の大欠陥 »

2008年11月24日 (月)

経済財政諮問会議に提示された消費税上げ率

 11月20日の経済財政諮問会議で、民間議員4氏が中福祉・中負担の社会保障制度を実現するためには、2015年度でいくら公費が必要か、そして、社会保障に投入する公費は現行の消費税を含め、すべて消費税で賄うとしたら、税率は何%になるか試算した結果を提示した。

 2008年度当初予算は27.0兆円(年金8.1兆円、医療12.0兆円、介護3.9兆円、少子化3.0兆円)の公費を投入する。現在の消費税5%による税収は13.2兆円(消費税率1%で2.6兆円の税収)であるから、消費税の税収だけで社会保障費を賄うとしたら、13.8兆円足りない。(社会保障に投入される公費をすべて消費税で賄うと仮定すると、現在の消費税率5%に約5.3%上乗せし、10.3%にしなければならない計算になる)

 2015年度になると、社会保障のために投入する公費は43.5~44.3兆円に達するという。そのためには、08年度に比べ、基礎年金の国庫負担を2分の1に引き上げるために3兆円程度(その時点の消費税率の1%程度に相当)、高齢化の進展や社会保障の強化のために7.6~8.3兆円(同2.3~2.5%)、次世代への負担先送り拡大を止めるために3兆円程度(同1%程度)、これまでも安定財源が確保されないままに給付してきた公費の財源を確保するために13.8兆円(同4.2%)の追加源資が必要になるとしている。

 すなわち、財政を社会保障部門と非社会保障部門とに二分し、社会保障部門の歳入はすべて消費税税収で賄う(消費税の税収はすべて社会保障部門の歳入に充てる)という仕組みを想定する。その場合、2015年度には、消費税1%の税収が3.3兆円に増えるが、それでも、消費税率をいまよりも8.3~8.5%引き上げなければならない。トータルの消費税率は13.3~13.5%となる。食料品などに対して軽減税率を設けるなどを考えると、基本の消費税率は15%ぐらいになるという試算のようだ。

 活力と安心が両立する中福祉・中負担の社会を実現するには、上記のような財政上のステップが必要だというのが民間議員の見解だ。現在の政治・経済・社会状況においてはすぐに実現するとは考えにくいが、国民が給付と負担の両方を真剣に考えることは焦眉の課題である。

|

« 年金の世代間格差についての吉川洋教授の意見 | トップページ | 事故米不正流通で指摘された農水省の大欠陥 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/184848/43217297

この記事へのトラックバック一覧です: 経済財政諮問会議に提示された消費税上げ率:

« 年金の世代間格差についての吉川洋教授の意見 | トップページ | 事故米不正流通で指摘された農水省の大欠陥 »