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2008年11月26日 (水)

事故米不正流通で指摘された農水省の大欠陥

 政府の「事故米穀の不正規流通問題に関する有識者会議」が25日、原因の究明と責任の所在の明確化についての報告書を発表した。農林水産省の欠陥をこれだけはっきりと指摘した政府関係文書は初めてではないか。報告書には「農林水産省は解体すべき」との意見もあると述べている。供給者側の発想にこり固まり、食の安全という消費者の側に立つ目線を全く欠いた組織では、解体も当然のような気がする。

 検証の総括において、深因は①農水省には、自分の職務が国民の「食の安全」につながっているという自覚や責任感が欠落していた、②農水省は、目先の仕事をこなしていればよいという官僚主義的体質である、と指摘。BSE対策は終了したと考え、BSE問題の反省のもとに食品の安全を農水省最大の課題と考えて、それぞれの部局で自らの業務を改革して類似の事態の発生を防止しようという取り組みが行われなかった、と述べている。

 一連の流れにおいて「消費者のことは全く考慮されていない」と報告書は言い切っている。財政負担を少なくするため、事故米穀を廃棄せず、早期処分を優先させ、汚染米が食用に流用されるのを防ぐための有効な手段を何一つ講じなかった。

 報告書は責任の所在について①農水省総合食料局の局部長等の幹部職員の責任は最も重い、②これまでに事故米穀に関する業務に何らかの形で携わったすべての職員に強く反省を求める、③組織上の統括者である歴代の大臣、事務次官をはじめとする本省幹部に対しても強く反省を求めたい、④地方農政事務所の幹部職員、特に所長の責任は重い、としている。

 そして、農水省の今後の取り組みについて、「厳正な処分を行うべきである」、職員一人ひとりの意識改革など全省挙げての意識改革を求めている。その際、民間企業の企業行動基準のようなものを設定するとか、監査指導組織を設けることとかを列挙している。

 この報告書は縦割り主義の問題や食品安全に関わる厚生労働省との業務の有機的な連携を欠いているなど、霞が関のさまざまな欠陥にも言及している。

 以上、紹介したように、役所の報告書にない歯切れの良さがある。もっとも繰り返しのようなところもあり、長過ぎると思う。

 私見によれば、責任の追及については、政府の下すペナルティは概して軽い。それだから、心を入れ替えることなく、また、失敗を繰り返すのである。それに、霞が関の官僚は退職したらいっさい責任を問われないというのはどうにも納得できない。せめて名前ぐらい公表するとか、天下り先から追放するぐらいはすべきだろう。現役の官僚に良心があれば、そのぐらいのことをしないと、国民に顔向けできないと思うはずだ。

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