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2008年11月29日 (土)

江利川厚労省次官が挙げる3つの課題

 厚生労働省の江利川毅事務次官が11月27日の定例記者会見で、元事務次官等の殺傷事件の動機などについて聞かれ、答えたあと、「少し質問から離れたようなことを申し上げてもよろしいでしょうか」と前置きして、おおむね次のようなことをしゃべった。

 「我が国の今世紀における大きな課題は3つあると思います。第1に、環境問題(地球温暖化)、第2に、少子化、人口減少問題、第3に、日本社会のモラル低下です。今回の事件は、モラルの問題にかなり関わるのではないかという認識を持っています」。

 「交通事故で人を挟んでいるのに引きずって走っていくとか、腹いせに誰でもいいから轢き殺す、そういう殺人事件だけでなく、給食費を払わないとか、軽い病気なのに救急車を呼ぶとか、こういう1つ1つもモラルの問題」。

 「こういう日本社会のモラルの低下みたいな問題に社会全体でどう取り組んだらいいのかということを真剣に考えていかなくてはいけないかなと思います。相当大きな課題ではないかと思っています」。

 ことしの6月初めに江利川氏の話を聞いたとき、日本社会のサステナビリティの問題は2つあると言い、少子化と環境を挙げた。今回の記者会見で、日本社会のモラル低下が付け加わった。しかも、この3番目について、同氏は社会全体でどう取り組むか真剣に考えなくてはいけないと問題を提起したとも受け取れる。

 メディア関係者には、日本の社会が、政治もそうだが、自壊しつつあるような感じがすると言う人が少なくない。それだけに、27日の記者会見では、この江利川氏の問題提起を真正面から受け止め、同氏に対し、政府の要人の1人として、それにどう取り組むつもりかを突っ込んで聞いてほしかった。「質問から離れたようなことを申し上げてもよろしいでしょうか」とまで言って同氏が語ったのに、聞き流して、すぐ違う質問をする記者たちの視野の狭さ、未熟さには、情けないとしか言いようが無い。

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