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2008年12月15日 (月)

法人企業統計が示す日本企業の財務体質改善

 世界的な金融・経済危機に遭遇したとはいえ、日本企業は過去数年の好況などで財務体質が向上してきているので、全般的には、そう簡単にはへばらないのではないか。法人企業統計調査の平成19年度調査の結果をみると、そう思う。

 19年度の経常利益総額は53兆4893億円、前年度比1.6%減と減少に転じ、平成14年度以降の景気上昇に区切りをつけた。製造業が0.4%増だったが、非製造業が3.2%減だった。一方、売上高総額はかろうじて0.9%増だった。製造業は4.7%増だったが、非製造業が0.7%減となった。また、当期純利益総額は25兆3728億円で18年度に比べ2兆7922億円減った。

 しかし、自己資本比率をみると、平成15年度に28.3%だったのが、毎年、上昇し、19年度には33.5%に達した。製造業だけだと19年度43.8%(15年度40.7%)、非製造業は28.5%(同22.5%)である。

 また、資金需給は、調達をみると、過去数年、減価償却などによる内部調達が100%を超えている。つまり、外部から資金を調達する必要がないどころか、借入金など外部資金を減らしたということである。自己資本比率の上昇はその表れでもある。

 興味深いのは、付加価値に占める人件費の比率だ。平成19年度は69.4%で、18年度より0.1%ポイント上がったが、平成14年度の73.7%、15年度の71.6%に比べ下がっている。支払利息の比率も平成14年度に4.2%だったのが18、19年度には3.3%に下がってきている。それとは逆に、営業純益の占める比率は一貫して上昇。14年度8.2%だったのが19年度は14.0%にまで拡大した。

 また、純利益を配当金と内部留保にどう配分するかの比率については、平成19年度は配当金に55.3%、内部留保に44.7%、配分した。18年度は配当金に57.6%、内部留保に42.4%の割合だった。

 景気の下降局面に入り、しかも世界同時不況に突入したため、企業の収益状況は激変した。だが、日本の企業の基礎体力は以上のように強化されているので、まともに資金繰りがつけば、そうそう簡単にアウトにはなるまい。もちろん、以上の話は総論であり、各論では、もともと弱い企業は早々に淘汰される公算が大だと思う。 

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