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2008年12月21日 (日)

中長期の視点に乏しい?経済対策

 政府が今年度第二次補正予算案および09年度予算案をほぼ確定した。日本銀行は政策金利引き下げなどの対策を19日に決定し、実施可能なものは即、実施に移した。世界および日本の経済情勢は、ついこの間までとはうって変わってしまったから、景気のスパイラルな下降を食い止めるために、需要の創出および資金供給の円滑化は欠かせない。

 とはいえ、景気刺激策が十分吟味されたものか、気になる。巨額の財政赤字累積を忘れて、将来の世代に大きなツケを残すことは絶対にまずいからだ。

 日銀は政策金利引き下げやCPの買い取りなどとともに、毎月の国債買い入れ額をこれまでの1兆2千億円から1兆4千億円に増やした。だが、その点について白川日銀総裁の記者会見ではほとんど説明がなかった。記者から突っ込んだ質問もなかったようだ。

 金融市場調節方針の変更として、日銀は月々の国債買い入れ額を2002年10月30日にいまの1兆2千億円に増やした。それまでは1兆円だった。さかのぼると、2001年12月19日にはそれまで月間6千億円だったのを8千億円に引き上げている。時系列でみると、買い入れ額は増加のトレンドを示している。

 今回の変更により、日銀の国債購入は年間16兆8千億円にのぼる。08年度(予算の第二次補正後)、09年度(当初予算)とも、約33兆円の新規国債発行を見込んでいるので、そのほぼ5割に相当する。これまで、日銀は買い取った国債を市場で売ったりしているから、保有残高はことし9月末現在で65兆円余にとどまっているが、売るに売れないような金融情勢にならないか、素人ながら気になる。

 国の予算案は、大雑把に言えば、税収の2倍の歳出を組んでいる。必要不可欠な歳出もあるが、どちらかといえば、目先の景気てこ入れや選挙対策に偏っている。将来の日本財政に一段と重い負荷をかける内容となっている。今後の日本が活力ある持続可能な経済社会となるための先行投資という発想がほとんどないし、歳出のムダを削減するという努力もなかった。

 社会保障と言うと、黄門さまの印籠みたいになっているが、医療にしても介護にしても、もっと節減できる部分がある。それには口をつぐんで、国の負担を増やせば万事うまくゆくというような主張が目立つ。また、それがまかり通る。各論でムダを排除する必要がある。ムダについて個人的な体験をあげれば、医薬分業で、薬局で支払う調剤技術料だとか薬学管理料とかが高いのに驚く。同じ薬を継続して使うときも、薬剤料以外のそうした費用を同じように払わねばならないようになっている。

 国民生活の安心を確保するには、年金、医療、介護、生活保護や雇用などのセーフティネットをきちんとしなければならない。しかし、社会全体としては、自助、共助、公助の三位一体で取り組むのが望ましい。何でも政府におんぶする、要求するというのは社会の公正さ、活力維持などに反するし、大きな政府、高い税負担につながる。財政健全化を図るうえで考えるべき問題点である。 

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