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2008年12月12日 (金)

働く者同士の共感もなくなっている

 雇用調整が広がりをみせている。自動車、電機などの業界が目立っているが、製造業にとどまらず、第三次産業にも波及しそうな気配だ。

 いまのところ、雇用調整は主に非正規雇用の労働者が対象だが、希望退職募集の形で正社員においても一部始まった。今回の景気後退の特徴は、国内の民間消費も民間設備投資も軒並み縮小し、明るい産業分野が見当たらないこと、それに加えて、世界同時不況のため輸出も減っていること。したがって、企業の努力だけでは当分の間、経済全体の好転は望みにくい。

 それだけに雇用調整ではじき出された人たちが再就職するのはとても難しい。「板子一枚下は地獄」という言葉はまさしく現代日本の実態である。雇用調整は企業が生き延びるために必要だとしても、企業のトップは、いまの時期にやめざるをえない人たちもまた生きていかねばならないことにどれだけ思いを致しているのだろうか。

 メディアは「‥‥○○○人を削減する」などと伝える。だが、人員削減という言葉は「削る」などと、およそ血の通った人間にはふさわしくない表現のように思えて仕方がない。切り捨てられる労働者に対する思いやりがほしい。

 大企業には労働組合がある。多くの労組は正社員のみから成る。彼ら、社員で労働組合員である労働者は、同じ職場で働いている非正規雇用の人たちを同じく労働者の仲間と思わないのだろうか。企業内組合ゆえに、会社第一で、いまこそ、会社を守るために、非正規雇用の人たちを切り捨てるのはやむをえないと割り切っているのだろうか。

 夢みたいなことを書く。非正規雇用を減らす企業の社員労組は、派遣であれ、期間工であれ、会社の都合でやめざるをえない人たちが寮を出る期限を延ばすように会社に交渉するとか、転職の支援をするとか、働いた仲間のために何かやってほしい。連合のようなナショナルセンターは、そうした連帯意識を持つよう個々の単組および組合員に働きかけるぐらいはして当然だ。

 中央政府、地方公共団体で働く人たちは民間と違って失業の心配がない。給与水準も概して高い。だから、政府は公務員の給与を不況の間、1割ないし2割カットして、その分で失業者を雇ったらどうか。森林の下枝伐採などの人手がなくて環境保全上、困っているし、農業は人手不足で廃業する農家が相次いでいる。そうした人手が足りない分野に、応援に行ってもらうのがいいと思う。

 日本国民は長い間の習性で、政府を批判し、政府にやってもらうことばかりを要求してきた。だが、財政悪化で、政府に頼ることは最小限にとどめざるをえない。上記のように、助け合うことが欠かせない。企業で働く者も政府で働く者も、あるいは失業者も、同じ労働者という連帯感でつながることで、社会が安定し、安心した暮らしができるのではないか。

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