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2008年12月17日 (水)

齊藤誠一橋大教授「首相はボーナスを返上すると言ったらよかった」

 金融・経済危機に日本(政治、企業など)はどう対応するのがいいのか。12月17日、言論NPOが開催した会議で、発言者3人のうちの1人、齊藤誠一橋大学教授の話を聞いて、なるほどと思うことが多かった。

 日銀短観を新聞などが大きく扱っていたが、齊藤教授は「従来の指標にあまり反応しないほうがいい。マクロでみると悲観論しか出てこない。しかし、一つひとつ丁寧に見ていく必要がある。円高で購買力は高まっているなど、ポジティブな面も見ていくべき」と語る。そして「この時点で消費税引き上げを言うのはセンスがない。一方で減税などをやっているのだから。納税者番号の導入など公平な徴税の制度基盤があれば、マイナス納税もある。そうした公平性、公正性のあるプランを提示するほうが、個別利害の対立が避けられる」と指摘した。

 今日の非正規雇用をめぐる問題については、「非正規雇用を認めたのは(雇用形態の)多様化の1つだった。しかし、それと合わせて正規雇用の解雇法制に手をつけるべきなのに、それをしなかった。同じ待遇にしないままだったから、調整時にはまずいことが起こる」と問題点を挙げた。

 現在の危機にどう対応するか。「前例のない事態に直面したとき、本当のプロではない学者や前例踏襲の役人などを(審議会などに)集めても意味がない」とし、NPOなどで本当のプロが関わっていくようなことをしないと課題の解決はできないと述べた。

 米国では、議会が金融危機対策に関して、関係者の責任を厳しく追及している。これに対し、齊藤教授は「日本は一方的な被害者だという受け止めで、関係者の責任を棚上げしてしまっている」と指摘。「(金融バブルの発生には)日本のゼロ金利や量的緩和など金融政策の不節制にも責任がある。天から降ってきた災害というのではなく、原因と結果などをきちんと追究し、責任を追及すべきだ。政策を総動員するというのなら、議会は責任ある立場にいた人を呼び出してそうするのが当然だ」という趣旨の発言をした。

 これからの日本経済について、同教授は「今後、しんどいだろう。経営者は給与を返上し、陣頭に立たねばならない」と述べた。そして「失業者がこれだけ出てきているとき、国民が痛みを受け入れるように、政治も、行政も、労組幹部も、経営者も頑張っている姿を見せなければならない。ところが、頑張っている姿がみられない。麻生さんはボーナスを返上すると言ったらよかった。でも彼はそうしなかった。」と指摘した。

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