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2008年12月20日 (土)

子どもの貧困と税額控除

 『子どもの貧困―日本の不公平を考える』(阿部彩著)を読んだ。日本の政治が無視してきた子どもの貧困について、貧困の定義、その数値的把握の仕方、どうやって貧困をなくすべきか、などを詳しく述べたものである。

 先進国における貧困を「相対的貧困」という概念(手取りの世帯所得の1人あたりを並べ、その中央値の50%=貧困線=以下を貧困と定義する)でとらえ、子どものいる世帯の貧困率を把握する。また基本的な衣食住、就労などのニーズや、交友、娯楽などといった「社会的に合意された必需品」が与えられていない「相対的剥奪」の状態を示す剥奪指標をもとに、子どもに保障すべき最低の生活を見出す。本書は主にその2つをもとに、日本の子どもの貧困が深刻な状況にあることを浮き彫りにしている。

 そして、「日本版子どもの貧困ゼロ社会へのステップ」(11ステップ)を提案している。その中で「現役世代の中でも、子どもを育てていたり、貧困線を下回る生活をしている世帯に対しては、せめて、負担が給付を上回ることがないように、税制、公的年金、公的医療保険、介護保険、生活保護を含めたすべての社会保障制度で考慮すべきである」としている。

 子どもの貧困に対する具体的な処方箋として、「子どもの貧困削減を目的とした所得保障の制度を考えるとき、給付つき税額控除は有力な候補である」と述べている。所得控除が金持ちほど減税額が大きくなるのと違って、税額控除にすることは平等であり、かつ控除しきれない分は、マイナス納税ということで現金給付するので、低所得者には救いとなるわけだ。

 ところで、この給付つき税額控除は、イギリスなどで実施されており、日本では、民主党が低所得者対策の目玉として税制抜本改革アクションプログラムに盛り込んでいる。この制度を導入するには、世帯単位の課税制度に改めることや、納税者番号が不可欠であるという。藤井民主党税制調査会長は「納税者番号制度は金持ち対策ではない。いまは社会保障からこぼれてしまう人がいる。それへの対策だ」と、18日に日本記者クラブで開催された津島自民党税制調査会長との討論会で述べている。納税者番号と社会保障番号とを共通にするということらしい。

 その討論会で、津島氏は、自民党も党内に納税者番号の早期導入を考えるプロジェクトチームを設けることを決めたと言い、「税額控除で引き足りないところは現金給付するということも民主党と同じ考え方だ」と語った。

 本書の結論は「すべての子どもが享受すべき最低限の生活と教育を社会が保障するべきである」というもの。給付つき児童税額控除はそのための有力な手段というから、政治がそれに一歩近づくような流れは歓迎してよかろう。 

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コメント

はじめまして。
安と申します。

突然失礼いたします。

犯罪組織は、世界どこの国でもあります。
しかし、
世界どこの国でもある犯罪組織とは違って、
一部の政治家、裁判官、警官、全国役所の一部役人、医師、先生、
PTAの一部役員、町会の一部役員、市民団体を始め各種団体の人、
芸能人、システムエンジニア、実業家、ヤクザなどが組織のメンバーになって、
ITという最先端技術を使い、
裏で日本の社会を支配している組織が日本にいるとしたら信じますか?

この組織の掲示板には「世界征服」「助成金」などが書いてあり、
私がアクセスした直後になくなりました。

詳細なことは、
お手数をかけて申し訳ございませんが、
http://blog.yahoo.co.jp/ansund59 をご覧ください。

偽警官が警察署を自由に出入りし、偽裁判官が裁判所で法の悪用をし判決をし、
裁判記録の改ざんもあり(最高裁判所まで)

投稿: an | 2008年12月20日 (土) 19時36分

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