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2009年1月19日 (月)

「日本海新聞」の元旦付け一面トップ

 日本新聞協会が東京・日比谷のプレスセンタービルで元旦付けの新聞各紙を展示している。ざっと100社を少し超す加盟新聞社の元旦付け新聞の一面を順番に見ていたら、「日本海新聞」(本社、鳥取市)が目にとまった。一面の右上のトップ記事が、同紙を発行している新日本海新聞社代表取締役社主、吉岡利固氏の名前入りの記事「地方の未来に前向いて」だったからだ。

 地方紙では、元旦の一面トップはその地域の大きなニュースとか、県知事等の有力者による対談などで占められている。そうした中で、一面に新聞社の経営者の署名入り記事を載せるのは珍しい。「福井新聞」も一面の真ん中に、縦に細長い8段通しで、吉田哲也社長の名前で「もっと地域の力に」と題する囲み記事を掲載している。

 しかし、「日本海新聞」の社主の記事は、目立つ一面トップで、今日の世界的な危機を踏まえつつ、現下の状況についての認識と新聞の使命を明確に読者に訴えている点で、「福井新聞」よりも高く評価できるように思う。

 吉岡社主は「世界経済は容易には上昇に転じません。」、「我が国の産業構造は抜本的な改革を迫られています。」と指摘したあと、「地方は智恵と勇気を」という小見出しで、以下のように書いている。

 「ただし、今回の世界不況は、一般の人々が急に路頭に迷うようなものではありません。特に地方は小泉改革以来散々痛めつけられ、それに耐える体力を必死に蓄え、智恵と勇気を出し合い自立を目指した経緯があるので、そう簡単に落ち込むわけではないのです。」、「わたしたちの新聞は、地域の人々とともに考え大胆に提言し一緒に議論し、立ち止まることなくよりよい明日を築くため取り組み続けます。」

 同氏は「わたしは何年も前から「大きな社会構造の転換期が訪れている」と警鐘を鳴らしてきました。今まさにその渦中にあるのです。」とも書いている。危機の中で目指すべき方向を見失っているいまこそ新聞等のメディアの役割が期待されると思うが、その使命を自覚して、覚悟のほどを読者に示す新聞経営者がいるのはうれしい限りだ。

 広告収入の大幅落ち込みでおたおたし、報道メディアの今日的使命を忘れている経営者ばかりでは、報道メディアは先細りするしかない。 

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