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2009年1月17日 (土)

基礎的収支黒字化の時期ずれる

 16日の経済財政諮問会議は「経済財政の中長期方針と10年展望」をまとめた。「2011年度末までに国・地方の基礎的(初期的)財政収支を黒字化させるとの目標達成は困難になりつつある。」と記している。だが、この時点で、誰もが目標達成は無理だとわかっているのだから、「困難である」とか「無理である」と書いたほうが国民はうなづける。

 与謝野馨経済財政担当大臣は2011年のプライマリーバランス(PB)黒字化という旗はあくまで掲げるという。この旗は歳出抑制の意味もあるから、それを撤廃したら、パンドラの箱を開けてしまう可能性があるという大臣の懸念は理解できないではない。しかし、ほとんど実現不可能な旗だとわかっていたら、誰もが無視するだろう。それよりも、目標時点を先に延ばすほうが国民を説得しやすいように思う。

 同じことだが、「経済財政の中長期方針と10年展望」は、「財政健全化目標について」という小見出しのところで、「国・地方の債務残高対GDP比の発散を止め、安定的に引き下げることを確保することは、財政の持続可能性を確保する上で極めて重要な規準である。」、「2010年代半ばまでにこれを達成するとの目標に向けて、適切な経済財政運営を行っていく。」と書いている。

 与謝野大臣は記者会見で「2010年代の半ばには債務残高対GDP比を一定にすると言う目標は崩していない」と述べている。しかし、それも、実現の可能性が非常に小さい。内閣府が何通りものシナリオをつくったが、それをみると、2015年度において、PBさえも黒字にならないケースのほうが圧倒的に多い。

 現在は100年に一度の危機に直面しているのだから、ケインズ経済学の復活がいわれるように、財政による需要喚起も必要である。とすれば、これまでの経済政策の枠組みをご破算にして、今後の景気てこ入れ策と一体的にPB黒字化など財政健全化の達成目標時期を設定するのがいいのではないか。

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