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2009年1月15日 (木)

高橋洋一氏の新著から

 『さらば財務省!』などの著書で知られる高橋洋一氏が08年12月に出版した『この金融政策が日本経済を救う』を読んだ。自民党の中川秀直元幹事長ら、いわゆる“上げ潮派”の理論的な支えとなっているとみられる高橋氏が本書で述べていることについて、私には肯定も否定もする能力はないが、それがとても刺激的だということは確かである。

 現在の非常時に国がとるべき政策を具体的に提案するならば、という前提で、「金融・財政政策のフル稼働で、25兆円の量的緩和と、25兆円の政府通貨発行(その財源で、2年くらい社会保険料を免除します)をすべきだと考えます。」、「このくらいの政策を行えば、危機に陥らずにすむでしょう。」、「100年に一度の大恐慌でデフレになるなら、インフレは有効な治療薬になります。」と言い切っている。

 これは、同書の「エピローグ――世界同時不況にどう立ち向かうか」の一番最後に書いてあるもので、本書で高橋氏が厳しく批判しているのが日本銀行の「金利正常化」にこだわる金融政策である。「現在の景気後退の主犯人は、増税(定率減税の廃止)でもなく、ましてやサブプライム問題でもなく、06年の金融引き締めだった」と指摘、いまこそ金融緩和とインフレ目標設定をすべきだと強調している。

 また、いまも争点となっている第二次補正予算とその中の2兆円の定額給付金については、景気浮揚効果はあまり期待できないと述べ、その理由として麻生首相による3年後の消費税増税宣言を挙げている。

 高橋氏は「本当は、埋蔵金がもっとあるのですから、2兆円なんてケチなことをいわずに、20兆円くらいを定額給付金にすべきでしょう。」とまで言い切っている。そして「増税を考えるのではなく、経済成長に伴う「増収」を考えるべきだと思います。」と、従来の主張を繰り返し述べている。

 本書は、日本の金融政策がずっと間違っていたためにデフレから脱却できなかったと指摘し、かつ日本銀行の「利下げをいやがり、隙あらば利上げをねらっている」体質を批判している。

 というわけで、本書は挑発的な表現および刺激的な内容に富んでいる。本書を読んで思うのは、いまの局面でどんな経済政策が最適かについて、高橋氏の見解を含め、さまざまな論者による丁々発止の議論を国民の1人として聞きたいということだ。

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