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2009年2月26日 (木)

「年越し派遣村」をつくった全国ユニオンの鴨会長

 派遣切りなどで仕事も住むところもなくなった人たちの駆け込み寺となった「年越し派遣村」。それを企画し、NPOなど多くの協力者と一緒に運営したのが全国コミュニティ・ユニオン連合会(略称、全国ユニオン)である。加入者は3300人程度にすぎないが、その知名度や社会への影響力は無視できないものがある。最近、会長の鴨桃代さんが語った中から、一部を紹介する。

1. 全国ユニオンの春闘は「ともに生き、働く09春闘」である。賃上げ原資3%相当額を確保し、非正規労働者の雇用確保と正規労働者との格差是正に充てる。また、緊急ワークシェアリングとして、かつ長時間労働をしている正規労働者のワークライフバランスを確保するため、仕事の減少に対しては、正規労働者を雇用調整助成金を使って一時帰休させ、その穴埋めとして非正規労働者が働く。そうしたやりかたで正規、非正規が共生することを目指す。この方針には組織内部にも異論があった。しかし、例え、賃上げがとれなかったとしても、正規と非正規がともに闘えたという連帯を成果として残せないか、それが次の闘いの力になると考えた。

2. オランダ国営放送から24日にインタビューを受けた。その際、派遣切りなどに対して「なぜ日本の国民はゼネストを起こさないのか」とたずねられた。私は日本の労働者はダメだとあきらめきってはいない。命をつなぐ年越し派遣村には1700人のボランティアが集まったし、カンパも5千万円を超えた。カンパの物資は使い切れないほどだった。この問題が働く人、生活する人に目に見える形で伝わったのだと思う。京品ホテルの闘争では、5万人を超える署名があり、たくさんカンパがあった。ホテル前では通りがかりの人から「頑張ってください」とか、「あなたたちの闘いには夢があります」という声があった。理不尽なことは許さないという闘いに共感が高まっている。

3. 「年越し派遣村」には総合相談窓口をつくった。「村民」は仕事、住まい、健康、多重債務など、さまざまな問題を抱えているからで、労組だけでは受けられない。労組も縦割りだったのかなと反省した。彼らが次の仕事を見つけるまでにはカネと時間と住まいが必要だ。それが整っていないと、「自立して仕事をしたいけれど、それができない」と彼らは訴えていた。私もそこまでわかっていなかった。残ったカンパを彼らの生活保護と就労支援のための基金に充てたい、それには国も企業も出してほしい。それでいろいろな方面に設立を働きかけている。

4. その後も「派遣村」に行きたいという声は止まらない。福岡県や愛知県にないのかという地方からの声がある。地方でもやれるというところではやっている。それに、シェルターが足りないから、役所につくってくれなどとお願いしている。

5. 「派遣村」ではホームレスの人は私たちを試してきたという気がした。善いひとぶってつくったのではないかと。「偽善の村」だと大きな声で走り回った人がいた。ホームレスの人たちは自分なりの生活をつくっていて、何が何でも仕事をしたいとは思っていない。「あんなに上司から命令されて働きたくはない」と言う人もいた。でも、ホームレスの村民が生活保護を受け、住居を確保したのは、彼らにとっては、そこからの新たな踏み出しになったのではないかなと思う。

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