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2009年2月 8日 (日)

「無利子非課税国債」という提案も

 自民党の一部議員が呼びかけて「政府紙幣」や「無利子非課税国債」などの実現をめざす議連を10日に開催するという。安倍元首相も最近、無利子非課税国債のような思い切ったことをやる必要があると語った。野党でも、亀井国民新党代表代行が、無利子非課税方式で100兆円のファンドをつくれと主張しているようだ。ただ、これらの人たちは、政府が使うカネを増やせば増やすほどいい、と思っているフシがあるから、彼らの言う通りにしていたら、大変なインフレになりかねない。

 「政府紙幣」については、先日このブログで取り上げた。「無利子非課税国債」は、利子ゼロだが、税務当局が相続税の対象資産とはみなさない国債のことだという。償還期限については議論されていない。創設すれば、相続税がたくさんかかるような資産家が節税のために購入することが想定される。

 こうした奇策がぶちあげられるのは、次のような理由だろう。即ち、日本の国家財政がひっ迫していて、現在の経済危機に対応するのに必要な財政支出も容易ではないので、“埋蔵金”のように、どこかから財源をみつける、ないしひねり出さねばならない、というものだ。「政府紙幣」の場合には、与党が好きなときに好きなだけ出せるし、利子がないから、国家財政に負担にならないというものである。もちろん、今年の9月までに衆議院選挙があり、劣勢の自民党としては、大盤振る舞いをしてでも何とか挽回したいという事情があるのは明白だ。

 しかし、どうも気になるのは、新たな財源探しが優先しているのではないかという点である。それより前に、まず、現状をどう認識し、当面および中長期に、どういう対策をとることが望ましいのか、それに必要な財政支出はいくらぐらいか、そして、それには税収とそれ以外にそれぞれいくらぐらい要るのか、をはっきりすべきではないか。そうすれば、国会でもメディアでも、この危機の脱出策の中身を議論できる。と同時に、財政健全化についても、意識を高めることになろう。

 相続税をかけない「緑の国債」を発行し、環境対策に資金を充てるという案が民主党の議員から出ているという。このように、与野党こぞっての議論があっていい。

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