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2009年3月24日 (火)

社会の雰囲気を反映した政労使合意

 23日に麻生総理大臣、御手洗日本経団連会長、高木連合会長らが首相官邸で会い、「雇用安定・創出の実現に向けた政労使合意」に署名した。経済危機で深刻化した雇用不安に対して、政府、企業、労働組合が雇用の安定、さらには雇用の創出に一致協力して取り組むことに合意したことを示す。派遣切りなど非正規雇用の問題が社会問題化したことなどを受けて、雇用問題の重要性が社会に浸透した結果だ。労使協調に政府も加わった日本型社会契約と評価することもできよう。

 「雇用安定・創出の実現に向けた5つの取り組み」は、①雇用維持の一層の推進、②職業訓練、職業紹介等の雇用のセーフティーネットの拡充・強化、③就職困難者の訓練期間中の生活の安定確保、長期失業者等の就職の実現、④雇用創出の実現、⑤政労使合意の周知徹底等、である。

 政府が行なう雇用調整助成金の支給迅速化、内容の拡充や、中小企業の資金繰り支援などについては、予算などをつければ実現するだろう。その点で意味がある合意だ。また、経営側が約束したのは「努力する」という類のものだが、日本商工会議所会頭なども同席しているので、オール経済界としての経営側の取り組み姿勢を社会に示したものと言えよう。

 しかし、労働側の取り組みもいろいろ書かれているが、ちょっぴり違和感を感じた。即ち、「労働側は自らの職業能力の開発向上に努力する」、「ハローワークによる指導、援助に応え、誠実かつ熱心に求職活動を行い、就職できるよう努める」、「労働側は新たな事業分野についての理解を深め、労働市場の実態を踏まえた適切な職業選択を行う」という内容は、失業し、求職中の人々になりかわって、連合会長が書いたものだろうか。

 連合は正社員中心の労働組合のナショナルセンターである。基本的には正社員の利益を代弁し、非正規雇用の人たちを事実上無視してきた。その連合の代表が政労使合意に署名し、求職者に対して「ハローワークによる指導、援助に応え、‥‥」などと言うのは倣岸不遜のような気がする。別の言い方をすれば、連合は政労使合意にあたって、ほかのナショナルセンターの意見や就職を支援するNPOなどの意見を聞かないで、自らを全労働者の代表みたいに勝手に思い込んでいるのだろう。

 政労使合意の文書には、ハローワークを重視し、拡充・強化するといった趣旨の内容がさりげなく書き込まれている。繰り返してだ。そして「(経営側は)ハローワークによる職業紹介に協力する」という部分もある。最近は、「官」がここぞとばかり、復権に乗り出しているが、ここにも、そういう構図がうかがえる。日本経団連も、連合も、日本の官僚政治の本質である既得権の維持ないし権限の拡大をわかっていない。

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