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2009年3月19日 (木)

イスラム世界と民主化

 邦訳『変わるイスラーム  源流・進展・未来』(藤原書店)の著者、レザー・アスラン氏の記者会見を聞いた。イスラムと民主主義はなじまないという意見も強いが、それは間違いだという。そして、中東の専制的な国家の下で、人々の多くは民主主義がベストと信じており、住民に投票などを通じて政治参加を認めれば、過激派は力を失うと述べた。

 パレスチナのハマスについても、それは同様で、民主的な政治プロセスに参加させ、失敗を経験させることが必要だという。

 米国のブッシュ前大統領の外交・軍事政策は間違いだらけだったが、アスラン氏は「ブッシュが対中東政策で唯一、正しかったのは、真の民主主義改革をすれば、過激派の根を断てると主張したことだ」と指摘した。

 アスラン氏によると、イスラム世界では、20年前なら、若者はどうしたらいいかで悩んだときはイマームに聞きにいった。そして、その解釈を聞いて、それを受け入れるか否かを自分で決めたという。当時は一握りのウラマーが解釈する権限を握っていた。ところが、今日、インターネットの普及で、悩んだときはネット上にあるさまざまな解釈を読む。そして、その中から自分で答えを見出すという“個人化”の時代になった。イスラム世界の宗教改革だという。

 また、イランについて、「民主化を遂げた国だが、まずい民主国家」だと指摘した。30年かけて最も自由かつフェアな選挙をおこなうようになったが、影のように選ばれていない人が支配する体制だという。その意味で、イランと一番似ているのは中国だと述べた。そして、米国の対イラン政策がイランの専制主義を生き延びさせているとの見方を示した。 

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