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2009年3月 4日 (水)

小沢代表の公設秘書逮捕

 民主党の小沢代表が西松建設がらみで検察に狙われている、という話を聞いたのは2週間ほど前だった。政界の情報通にはかなり前からそうした噂が流れていたようだ。

 麻生首相の支持率が末期的な低水準に落ち、このままでは総選挙での民主党の勝利がほぼ確定的と思われるこの時点で、検察庁が政治資金規正法違反の容疑で、小沢氏の公設第一秘書を逮捕したというのをどう解釈すべきだろうか。

 第一に、小沢氏の言うように、不公正な国家権力、検察権力の行使という解釈もできる。権力の濫用というわけだ。国内の政治・社会情勢をみれば、年内に民主党の天下になる可能性が大きい。そこで、小沢発言を拡大解釈すれば、自民党・政府が検察を使って不当な弾圧をしているという受け止め方もできなくはない。

 過去に指揮権発動もあったように、時の政権が検察を押さえ込むこともありうる。検察のほうも政治的な判断をする。とはいえ、日本の検察の歴史からみて、政権の座にある者が検察に暗黙にせよ指示をして無理矢理に捜査をさせるということは考えにくい。田中角栄逮捕にしても、検察の判断を、時の総理大臣が尊重したにすぎない。

 第二に、当たり前のことだが、検察が自らの判断で捜査に乗り出したという解釈である。その場合、この政治の季節に、なぜ次の首相の有力候補である民主党のリーダーをねらったのかだ。検察は見逃せないほどの違法行為であること、一部で時効が来ることを理由に挙げているようだが、推察するに、もう一つ、小沢氏が総理大臣になってからでは、小沢氏を標的に捜査を始めるのは非常に難しいという理由からだろう。

 しかし、小沢氏を政界から間違いなく追い落とすような証拠をにぎっていなければ、検察庁はきわめて危うい立場に立たされる。民主党が政権をとったときに、検察は報復される。ということで、検察は有罪と断ずるだけの非常な確信を持っていると推測できる。そこがあやしかったら、この政治の季節には手を出さないのではないか。

 それはそれとして、検察は自ら描いたストーリーに合う証拠を集めて有罪に持っていく傾向があるといわれる。したがって、ひとたび着手した以上、事件捜査から手を引くことは考えられない。西松建設がらみでは、長野県知事の側近が事情聴取を受けたあと自殺したという暗い話もあり、小沢氏の関係では公設秘書逮捕のあとに、第二、第三の逮捕者が出るかもしれないとも思う。

 捜査は当然、何ヵ月にもわたるだろう。小沢氏が代表の座にあり続けることが、結果的に民主党の命取りにならないとも限らない。民主党にとって大きな試練である。

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