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2009年3月21日 (土)

経済危機で最も打撃を受ける先進国は日本というIMF予測

 最近、IMFが発表した世界経済予測によると、先進国の経済成長率は2009年に前年比でマイナス3.5%~マイナス3.0%になるという。そして、2010年には、0.0%~プラス0.5%を予測している。

 先進国経済の内訳をみると、2009年は、米国がマイナス2.6%、ユーロ圏がマイナス3.2%なのに対して、日本はマイナス5.8%と、最も落ち込みが激しい。2010年は、米国がプラス0.2%、ユーロ圏もプラス0.1%とわずかながら上向くのに対し、日本はマイナス0.2%と依然、底を打たない。

 過ぎ去った2008年をみても、米国がプラス1.1%、ユーロ圏がプラス0.9%だったが、日本はマイナス0.7%だったと推測されている。

 バブル崩壊後の失われた10年で、日本は経済構造を改革したかと思いきや、サブプライムローン問題を震源地とする世界的な金融危機と経済危機の余波で、最も深刻な打撃をこうむっているのである。

 IMFによれば、日本は輸出と設備投資の落ち込み、および個人消費の低迷を反映した生産の急激な低下に直面している。金融部門は危機の主因ではないが、経済不振の悪影響を受けているという。

 世界全体の成長率は2008年がプラス3.2%、2009年がマイナス1.0%~マイナス0.5%、2010年が0.0%~プラス0.5%である。世界全体と比べても、先進国と比べても、日本の不振が際立っている。

 輸出に依存する経済体質を内需主体に変えるべきだという意見は、こうした日本の特異体質から来るものだろう。それにはうなづけるものがある。介護などの福祉や環境・エネルギー、農業などの分野を伸ばすことは社会の要請でもある。だが、輸出依存度の高すぎる自動車、電機などの製品の輸出が減るのはよいとして、日本全体として、国内自給率の引き上げを進めるとともに、どうしても必要な原材料などの輸入をまかなうだけの輸出額を確保できないと、国民生活の安定は保てない。

 いま、経済界は30兆円程度の追加経済対策を政府に要請している。政界でも、巨額の09年度補正予算をという声が高まっている。だが、そうした大盤振る舞いへの期待は目先の需要不足を埋めることが中心である。あわてふためくあまり、バブル崩壊後の財政出動と同じように、将来に財政破綻の道しかないような政策をとるのは避けねばならない。現在の急激な経済縮小に対する応急の財政出動においても、叡智を集め、将来を見通したベストの政策を生み出す必死の努力を政府に求めたい。麻生総理大臣が各界の代表からヒヤリングをしているのは結構なことだが、与党・政府がそれを単なるパフォーマンスにとどめるだけでは困る。

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