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2009年4月15日 (水)

財政審の地方懇談会(山形)でも多い意見は?

 財務省の財政制度等審議会財政制度分科会財政構造改革部会(なが~い名称だ)が4月7日に山形市で開催した地方懇談会の模様(西室部会長の会見)を記録で読んだ。

 地元の各種業界の代表、市長、NPO法人代表から①当面の財政運営と地方活性化施策、②高齢化の下での社会保障制度とその財源、③国と地方の在り方、の3点について意見を聴取したという。

 その内容をいちいち紹介するのは避けるが、休業補償助成金を拡充してほしい、農業に直接補償金を出してほしい、使途自由の地方交付金を増やしてほしい、中核的な都市形成に財政支援をしてほしい、といった、国の財政による地方支援を求める声が多い。道路建設についても、地方の連携を推進するのに必要だからと要求する市長もいる。それらとは違うが、不妊治療にも医療費などの支援をという意見や、旧来型の公共事業を見直し、地域交通の整備をという意見などもある。

 一方で、「新しい設備の投資ばかりが景気対策上、評価されるが、既存設備のメンテナンスをきちんとやれば、新規投資は必要ない」とか、補助金制度について「申請が少ないものが多すぎる。そういう制度は意味がないのでは」とか、「補助金の名目で支出が確定すると、断るわけにはいかないから無理して使うようなことがある」といった趣旨の疑問が投げ掛けられた。それに、旅館の業界からは、「自己責任で頑張ってやる以外にない。国もできる補助はしてほしい」との発言もあった。

 そして、一部だが、社会保障費の増加分の一部を抑えることに対して、「税金は高くてもいい」と消費税の引き上げなどで社会保障の充実を求める声もあった。

 全体として言えば、国がもっと財政支出を行なうことを求める意見が多数で、一部に、財政のムダ遣いがあること、政策に整合性がないこと、社会保障費の増大をまかなうためには増税も必要という指摘があったと総括できよう。

 日本の財政状態は危機的段階どころではなくなりつつある。にもかかわらず、山形県での懇談会の地元発言者は、まだ、国の財政にぶら下がろうとする人が多数だ。国の財政危機に対する国民の認識はまだまだであることがよくわかる。もっとひんぱんに地方懇談会を開催し、国民に財政の実態を知ってもらうとともに、地方から見た中央政府の財政の問題点をどんどん指摘してもらうことが必要だと思う。

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