« 死体遺棄された小4女児のいたましさ | トップページ | 植物に学ぶ »

2009年4月29日 (水)

決算発表・予想にみる日本企業の強さ

 3月期決算会社の決算発表が行なわれている。2009年3月期(2008年度)は石油などの原燃料の急騰や反落、円高や、サブプライムローンに端を発する金融危機、世界同時不況などのため、日本経済は大きく揺らぎ、縮んだ。多くの企業の業績が急速に悪化し、不動産業などでは、資金難で破綻に追い込まれる企業が相次いだ。株価の下落などによる損失も大きかった。

 発表になった企業決算は、そうした激変を如実に映し出している。07年度に比べ売り上げも利益も大幅に減る企業が大半で、経常損益や最終損益が赤字になったところも続出している。トヨタ・グループの優良企業でさえ、ほぼ軒並み赤字を計上している。最終損益が何千億円、何百億円もの赤字になった大企業もかなりの数にのぼる。これから荒療治に乗り出す企業もある。

 しかしながら、今年度、つまり2010年3月期(2009年度)の決算予想(一部の企業は発表していない)を個別に見ていくと、売り上げが前期よりさらに相当減るにもかかわらず、経常利益・最終損益とも少ないながら黒字の企業が結構あるのに気付く。それらの経営者の発言は慎重だが、前途にあまり不安を抱いてはいないようにみえる。

 その理由は企業によってまちまちだろうが、次のようなことが挙げられよう。第1に、設備投資の抑制、諸経費の節減が挙げられる。第2に、前回までの不況に対応して、経営効率化を図り、固定費の比率を下げてきたことである。そして、第3に、含み損など不良資産を09年3月期決算においてまとめて落としたことである。どこも経済危機の嵐にあい、経営責任を問われないですむということから、前3月期決算で、できるかぎりウミを出したということではないか。もう1つ挙げると、取り組むべき新事業や新製品があることである。

 過去の長い不況と近年の好況のもとで、日本企業の競争力は総じて強くなった。企業の09年度の決算予想の数字はそれを反映しているように思える。

 大企業の自己資本比率は今回の巨額の損失でかなり下がったとはいえ、それでも、一部の企業を除いてまだ高い。そのゆとりの表れの1つが積極的な企業買収である。直近では、三井住友フィナンシャルグループが米シティグループ傘下の日興コーディアル証券などを買収することで話がまとまったようだが、キリンホールディングスがオーストラリアなどの食品関係企業を買収するなど、日本勢による企業買収が相次いでいる。

 09年度の日本経済は実質3.3%のマイナス成長となる、と内閣府が政府見通しを引き下げた。上場会社の企業収益は損益面ではもっと大きなマイナス幅になるが、企業の意欲は数字ほど悪くはない。09年度が収益面で底になるのなら、その後は、明るい展望が開ける可能性は十分ある。 

|

« 死体遺棄された小4女児のいたましさ | トップページ | 植物に学ぶ »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/184848/44832021

この記事へのトラックバック一覧です: 決算発表・予想にみる日本企業の強さ:

« 死体遺棄された小4女児のいたましさ | トップページ | 植物に学ぶ »