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2009年5月24日 (日)

フーン、そうかと思った、増田悦佐著『格差社会論はウソである』

 久しぶりに刺激を受ける本を読んだ思いがする。増田悦佐著『格差社会論はウソである』(PHP研究所、2009年3月11日発行)だ。日本のこととなると、何かにつけ、悲観的、自虐的に解釈する傾向がこの国にはある。そうした通説とか常識を、具体的なデータで次々にひっくり返すことにより、日本が世界で一番良い国であることを論証している。

 本書で強調しているのは、日本が世界でもきわめてユニークな社会であるという指摘だ。例えば、①「日本人を幸福にするための要求水準は世界一高い」、②「日本社会の特徴として、非常に平等化圧力が高い社会」であり、男女間の体力差が縮まっている、「日本ほど子供が社会的に成熟している国はない」、そして、「知的エリートと大衆とのあいだに知的能力格差がない」、③「子どもと若者、とくに若い女性たちがじぶんたちの文化と市場を自分たちの力で作り出せる唯一の国である」、④日本の企業について、これまでのように「大企業はヌエ的な生き残り重視、中小企業が戦わない経営に専念すれば、それで良いのだ」―など。

 また、「現代の若者の無知、無気力、自信喪失、望みの低さ」といった一見否定的な特徴が「おとな顔負けの社会的成熟度を持った彼らの叡智の表れ」だと述べているなど興味深い指摘が随所にある。

 著者によると、日本の経済社会の直面する危機はたった一つ。知的エリートがあおりたてる根拠の乏しい危機感や悲観論を信じて自暴自棄的な集団自殺に突っ込むことだという。

 本書の論点は多岐にわたっており、かつ全体を体系立てて展開しているわけではない。したがって、内容は精粗まちまちな印象を受けるが、そういう見方ができるのかと驚くところがあちこちにあり、新鮮だった。

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コメント

私も今の世界経済の惨状を憂いその原因をいろいろな調べものをしているうちこの本を図書館から借りてきて読みました。増田さんは最近でもたくさんの本を出していますが、そのトーンは大体が日本楽観論です。日本が貧困層が大幅に増え、代わりに中間層が大幅減少したのは間違いない事実です。皆さんが言う格差とはこのことを言っているのであって、階級的格差や教育格差のことを言っているのではありません。私は日本人が自虐的になっているというのは分かりますが、だからといって楽観論を唱えればよいというものでもありません。要はどうすれば先進国が今の惨状から抜け出せるかだと思います。私はそれは今の先進国の不況に対する処方箋があいも変わらずの、金融緩和、財政出動の2通りしか出来ないことではないかと思います。それで不況から立ち直れば成長してうまくいくと。つまり、為政者は成長しなければ富の分配もうまくいかないと思いこんでいるからではないかと思います。今の楽観論者は全てこのカテゴリーに入ると思います。日本で20年間もその縄縛にとらわれ苦しんだのに、まだ成長できると思っています。大事なのは今の惨状は経済学者が成熟経済における正しい処方箋を示せなかったから、指針を持たない為政者が間違えた成長戦略を進めた結果起きたことではないでしょうか?それならば、その間違いをきちんと指摘して、正しい処方箋を示せばよいだけのことではないですか。後は皆さんが今まで抱いた成長に対する思い込みなり、錯覚を取り除けばよいということだと考えます。

投稿: 金山正男 | 2012年2月 9日 (木) 17時58分

想像を絶する無知な男の馬鹿本。UFOの矢追氏の本と比較されるべき。

投稿: 名無し | 2010年10月26日 (火) 11時44分

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