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2009年5月 3日 (日)

「日本国際賞」受賞者、デニス・メドウズ博士の講演から

 ローマ・クラブの報告『成長の限界』(THE LIMITS TO GROWTH)のプロジェクト・リーダーを務めたデニス・メドウズ博士が2009年の「日本国際賞」を受賞した。受賞のため来日した博士は4月21日、記念講演をした。その要旨を読んで、なるほどとうなづくところがいくつかあった。

・『成長の限界』の結論は爆発的な反応を起こしたが、批判者も支持者も同報告をきちんと読んでいなかった。いまだに、丁寧に読む読者はあまり増えていない。今日ですら、ほとんどの専門家に大きく誤解され、誤り伝えられている。

・いま、振り返ると、報告のタイトルを付け間違ったのだろうと思う。私たちは「物理的な成長には限界がある」ことを指摘したとして知られているが、それは本質的な論点ではなかった。私たちの貢献は「有限の世界で、成長重視の政策がどのように社会を揺るがす大きな問題状況につながるか」を語ったことだった。私たちが語ったのは、再生不可能な資源の量など地球の能力の限界についてである。

・「限界」は最終的な結論ではなく、最初に置いた前提だった。私たちは、地球がいかに豊かで大きかろうと、地球は物理的に有限なので、無限に物理的な成長を続けることは不可能だ、という理解から研究を始めたのである。

・人口の伸びや経済成長を規定している現在の政策は、本質的に幾何級数的なものである。したがって、世界の人口、エネルギー消費、物質フローはあっと言う間にそれぞれの限界にまで増える。成長は行き過ぎと崩壊を通して、間もなく突然終わる。

・現在の経済問題を解決するためのなりふり構わないお金のかかる政策は、かつての幾何級数的な経済成長路線へ戻そうとするものである。こうした政策は効果がないか、そもそも今日の問題を引き起こした制度や考え方を存続させて事態を悪化させる。根本的に異なる政策が必要なのである。 

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