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2009年5月20日 (水)

厚生労働省の分割

 麻生総理大臣が巨大すぎる官庁、厚生労働省の分割を言い出した。もっともな感じがする。

 舛添厚生労働相といえば、ついこの間まで、いわゆる派遣切りなど非正規雇用の問題で毎日のようにメディアに登場していた。それが、最近は、新型インフルエンザの国内患者発生で、連日、テレビなどに映っている。派遣労働の制度改正云々はどこかへ追いやられたみたいだ。

 厚生労働省は省庁再編で、旧厚生省のほとんどと労働省とが一緒になった。社会保障関連の業務や予算が急速に増えているし、雇用不安で労働関係の業務も拡大している。職員数は一般会計、特別会計を合わせ約3万8千人。財務省、国土交通省、法務省に次ぐ大所帯だ。しかし、一般会計歳出予算では、25兆円余と断然トップだ。国債費や地方交付税交付金等を除いた一般歳出が52兆円弱だから、半分を厚生労働省が占めている。しかも、社会保障関連予算は年々1兆円ぐらいは増えるといわれているから、カネづかいの面でみると、霞が関の中で、群を抜いた巨大官庁である。

 それを1人の大臣がみるなんてことは不可能である。有能な舛添大臣であっても、国家予算の半分をきちんと押さえて国民のための行政を行なうことは無理である。

 したがって、麻生首相の分割をという指示は方向として正しい。ただ、思い付きで省庁再編を実施しようとしても、無理がある。どういう国にしたいのか、そのために、どういう行政組織にするのがよいかを詰める組織を早急に与党内に設けるのがいいのではないか。その際には、霞が関の全体を再編の対象にすることだ。政党のマニフェストづくりと結び付く話だ。

 ざっと霞が関をみたとき、行政組織再編のポイントはいくつかある。今後の人類の運命を左右する気候変動問題にきちんと取り組む省庁はどうあるべきか(エネルギー庁を経済産業省の下に置いていていいのか、森林保全を農林水産省の中に置いていていいのか)、中央集権から地方自治への転換を促すにはどうしたらいいか、産業官庁は集中したほうがいいのではないか(総務省にある旧郵政省の通信関連を経済産業省に移したほうがいいのではないか)、雇用・生活中心の省を新設し、問題となっている幼稚園、保育所を所管し、国土交通省の住宅行政もそこに移すetc。

 麻生首相に指示された与謝野大臣は厚生労働省の分割だけにとどめるつもりとか。“急ぎ働き”では、それも考えられるが、その場合でも、次を意識したプランが必要だと思う。 

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