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2009年6月16日 (火)

安心社会実現会議報告の目新しさ

 政府の安心社会実現会議が15日に報告をまとめた。この“安心社会”という言葉にはどうも引っかかるものがあるが、それはさておき、評価したいのは、「高齢者支援を引き続き重視しつつも、若者・現役世代支援も併せて強化しながら‥‥」、「現役世代および次世代を対象とした給付の比重を拡大していく必要がある」との認識を示したことである。

 「日本の高齢者一人当たり支出は現役世代向け支出の17倍であり、この比率はOECD諸国平均の倍以上になる」。このように、高齢者を支えるためのお金が現役世代にとって大きな負担になっているという実態を認め、それを改める必要があることを明らかにした。

 報告は、消費税を含む税制の抜本改革については、消費税の引き上げは無論のこと、所得再配分機能の強化、低所得者対策(給付付き税額控除、消費税給付返還制度の導入)や世代間分配の促進(無利子非課税国債)などを含むと述べている。これらを実施するには、安心保障番号の導入などが前提になるが、大筋としては今後の日本社会に必要な改革だろう。

 ちょっとおかしいのではないか、と思った個所がある。「日本の企業は、株主ばかりでなく地域社会や従業員も大事にして公共性を重んじてきたが、その伝統が生かされていない」という文章である。戦後、一貫して日本の企業は株主を軽んじてきた。株主のことをまともに考えるようになったのは、外国のマネーが日本企業を買収するのではないかという不安にかられてからだ。

 会社の利益が増えようと、配当はずっと額面の一割しかしないとか、株主総会はとにかく早く終わらせようとし、総会屋を使ってまでして株主に発言させないようにしていた。そんなこんなを思い出せば、報告の記述が間違っていることは明らかである。 

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