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2009年6月 5日 (金)

『グリーン革命』と日本の中期目標論議

 トーマス・フリードマン著、伏見威蕃訳『グリーン革命』(日本経済新聞出版社)を読んでいたら、日本が2020年を目標に温室効果ガスをどれだけ減らすかの中期目標設定に参考となる記述があった。

 規制とイノベーションの政治学の専門家であるMITのケネス・オイ教授は次のように言っているという。「通常、エネルギー効率と燃費についての厳しい規制がじっさいには自分たちの利益になるということに、企業は気づいていない場合が多い――だから、自分たちの有利になるように政策を変更するような動きをしない」

 GEのジェフリー・イメルト会長兼CEOは、エネルギー関連の公益事業や大企業は大統領が立ち上がって次のようなことを言うのを一番待ち望んでいる、と語ったという。即ち、2025年までに石炭、天然ガス、風力、太陽光、原子力でそれぞれいくら発電することとする、それは何者にも邪魔をさせない、ということをだ。「まあ30日ばかりは文句をいったり泣きを入れたりするだろうが、やがて全エネルギー産業の連中が立ちあがって『ありがとう、大統領。やろうじゃありませんか』というはずだ。そうすれば私たちは大仕事に取りかかれる」とも。

 著者はこう言っている。「自分と子どもたちと近隣住民がどういう取り組みをしていようと、私たちは一つの社会として、それを国や国際社会の取り組みへと移しかえる必要がある。それには、法律、規制、条約によって制度化しなければならない。(中略)自分の家の電球を“換える”よりも、指導者を“変える”ほうがずっと重要である」

 日本がどのような温室効果ガス削減中期目標を打ち出すかが注目されている。経済界はチャレンジを厭い、政治はリーダーシップを欠く。『グリーン革命』は、そうした日本について改めて考え込ませる。

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