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2009年6月14日 (日)

スウェーデンの高負担は開かれた政府への信頼があってのこと

 スウェーデンといえば、高福祉・高負担の国として知られる。成長政策庁のヤルマルソン長官がこのほど来日し、日本経済新聞の取材に対して語った記事が12日(金)付け同紙朝刊に載っている。同国も1960年代は日本と同じぐらいの税負担だったが、徐々に上がって、「ここ5年ほどはこれ以上、税負担を上げるのは難しいところまできた」という。

 同国の税および社会保険料負担を合わせた国民負担率は70%を超える。日本の国民負担率が約40%(巨額の借金を考慮に入れた潜在的国民負担率は50%ぐらい)だから、スウェーデン国民の稼ぎの手取りの割合は日本よりかなり低い。

 所得税率は地方税で26~35%、平均して約30%、高所得者には国税が加算される。法人税率は長官によると約26%。消費税は25%で、食料品、交通費などは12%。そして書籍、新聞などは6%だそうだ。

 長官は、国民が高負担を受け入れている理由について、「公共サービスで社会が機能しているという信頼感があるから」だと述べ、「納めた税金の分だけ受益があるということだ」と指摘した。

 では、その信頼はどこから生まれているのか。長官は「政府が国民に開かれていることではないか」、「税の多くは地方税」であり、税が何に使われているかの情報が納税者に開示されていることを挙げた。

 長官の話をもとにスウェーデンと、中福祉・中負担(麻生首相がめざす)の日本とでは、何が違うかを改めて考えた。①日本では政治家も政府も信頼されていない。②日本は、国民も政府にしてもらうことばかりを求めがち。受益と同時に負担をも受け入れるようになっていない。政治も国民に理解してもらう努力をしない。避けて通ろうとする。

 ③日本では企業悪という観念がいまだに残っていて法人を敵視するきらいがある。だから、法人課税を重くすれば税収がたくさん得られるという主張が根強い。これに対し、スウェーデンは企業の国際競争力が弱くなれば税収自体がなくなるという観点で法人税率を低めにしている。④スウェーデンは地方分権が徹底している。納めた税金がどう使われるかが住民によくわかる。どう使うかへの住民の発言力も強い。日本は、中央集権的で、税の使途の透明度は国、地方を問わず、きわめて低い。

 スウェーデンは人口が900万ちょっと。日本はその10数倍もある。それを理由に、スウェーデンのような小さな国と同じようなことはできないという意見もある。しかし、社会保障関連の財政負担が年々膨らみ、財政赤字が世界最悪の状態を放置したら、日本国の経済はひどいことになる。長官の話の中には、日本にとって参考になる点が少なくない。

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