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2009年7月11日 (土)

選挙“口約”にはうんざり

 東京都議会議員選挙の投票が12日に行われる。家の周りや駅周辺では、候補者の宣伝カーが走り回っていたが、やたらとがなっているだけで、ほとんど騒音としか感じなかった。それも、まだ候補者の名前を叫び、よろしくと言うものが少なくなかった。

 そういう選挙運動では、どんな政策を実現したいのかを訴えるのは難しい。選挙民としては選挙公報(私の住むところの区の公報)を読むしかないが、そこには、ムダづかいをやめる、医療・介護を守る、まじめに働く人に就職支援する、中小企業・商店街を守る、働く母を応援する、共生を大切にする、安心・安全で住みよい環境にする‥‥といった誰もが賛成する抽象的な表現が目立つ。東京オリンピック招致の反対、新銀行東京から撤退、築地市場の移転中止、○○病院の産科・小児科再開など、具体的な政策も挙がってはいるが、概して、総論的な内容に偏っている。

 総論的な公約は過去の選挙でも繰り返し唱えられたが、辛口に言えば、ほとんど実現したためしがない。それは、評価のものさしがないせいもある。いずれにせよ、バラ色の公約が実現していたら、都民の生活はすばらしいものになっていたはずだ。

 本気で公約の実現に政治家のいのちをかけたという話も聞かない。それらを総合すると、選挙運動中に示した約束は、たぶん、選挙民を釣るための単なる“口約”にすぎないのだろう。

 選挙公報を読んでいて、もう1つ気がつくのは、公約の大半がおカネがかかるのに、そのカネをどこから生み出すのかを誰も言っていないことだ。オリンピック招致反対でいくら浮くから、それをどこそこにいくら充てるといった主張をしている候補者もいなさそうだ。ムダづかいは相当あるだろうと想像するが、具体的に何がムダづかいかを誰がどうやって判断するのか。そういうところまで踏み込まないと、現実の成果は生まれない。

 地方自治体の議会や議員が自治体政府と対峙し、独自に政策の形成、立案を行う力を持たなければ、真の地方自治はありえない。そのためには、政策形成を支えるスタッフが相当数必要だし、政党・会派として政策づくりの体制をつくる必要がある。

 現実をみると、役人に依存しきった議会、議員がいまだ多数を占めている。当選したら、肩で風を切り、住民・選挙民とのコミュニケーションを全然しない議員が東京都でもほとんどではなかろうか。

 地方自治とか、地域主権とかいうものは、福嶋元我孫子市長が言うように「主権者である私たち(住民)が自治体や国に権限を分ける」というとらえかたが浸透して初めて本物になる。都議会議員の候補者のうち、幾人がそれをきちんと理解しているのだろうか、と思うと、選挙に行こうという気持ちが萎える。 

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