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2009年8月10日 (月)

市町村で平均年収が日本一の多摩市

 8月7日付け日本経済新聞朝刊の地域版に、「多摩の断面」というカット付き囲み記事が載った。東京都下、多摩26市の自治体職員の平均年収が東京都23区平均より27万円高いと指摘し、「多い地域手当や独自制度」、「お目付け役不在が影響」という見出しがついている。

 日経調査(2008年4月現在?)によると、都内自治体で平均年収が高いのは、1位多摩市、844.5万円(平均年齢46.2歳)、2位武蔵野市、798.3万円(同43.3歳)、3位八王子市、795.1万円(同45.3歳)、20位の目黒区でも748.3万円(44.8歳)である。ちなみに全国の市区町村ランキングでみると、多摩市は1位、武蔵野市は4位、八王子市は5位だという。目黒区は47位に位置する。

 多くの市区町村の公務員平均年収は国家公務員のそれより高いといわれる。この記事では、実際に資格が上がらなくても、一定年限が経てば上の資格の給与を支給する「わたり」、給与表の級を増やして高い給与を支給する「足伸ばし」とか、地域手当を国の基準より多く支払うといったからくりを指摘している。

 そして、「国には人事院、都道府県や23区には人事委員会があるが、大半の市町村にはない」として、お目付け役が不在だと書いている。

 以下は私見だが、本来、市町村の議会・議員が行政をチェックすべきなのに、現実には、議会・議員は首長や自治体職員、すなわち「自治体政府」と渡り合うだけの力を持っていない。現実には、大半が単なる“翼賛会”に過ぎず、「自治体政府」からさまざまな便宜供与などを受けたりしている。

 また、ほとんどの首長は自治体職員(その背後に労働組合がある)の協力なしでは行政が進まないから、役人の言うことを受け入れがちだ。国政の官僚支配政治と似た状況が地方政治にも起きている。多摩26市の平均年収が高いのは、こうした公務員(および労組)天国を反映していると思う。

 問題は、地方自治体の住民が市町村の行政に対しても、また議会の活動に対しても、ろくに関心を示さないことだ。それが多摩26市の高い平均年収を許しているのである。国が地方政治に対して権限もカネも握っている弊害の現われだ。

 ところで、いま、総選挙のマニフェストで、自民党や民主党は主要な公約の1つに地方分権・地域主権を取り上げている。その1つが、地方財政が窮迫しているため、地方自治体に財源を移すというものである。だが、現実の地方自治体の行政や議会を前提にすると、自主財源が増えれば増えるほど、職員の給与引き上げなど、ろくなカネの使い方をしないのではないかと懸念してしまう。

 上から制度を変えれば、暮らしを大事にする地域主権の政治や行政が自動的に実現するわけではない。住民の草の根からの活動が広がって初めて、地域の問題を直視し、行政を住民本位に変えることができる。多摩市には、議会・議員の活動を監視する住民運動があるが、市民の参加や支援はなかなか広がらないらしい。でも、議会や行政を住民サービス優先に変えることができるのは、そうした運動しかないと思う。

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